予算と実績の差異分析。
月次決算の永遠の課題でしょう。

どこまで、どのようにやるべきか、
なかなかやり方が確立できない、
そんな業務が予算実績差異分析でしょう。

少なくとも管理人はそう感じています。

正解はありませんが、管理人が学んできた考え方を
紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

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予算管理とはそもそも何?

予算管理と一言で言っても
いくつかの段階があります。

これらを総称して予算管理と呼びます。

1.設定
2.差異分析
3.修正

予算を設定する

まずは予算を立てなくては話が始まりません。

予算の設定は、トップダウンとボトムアップの
2つの方向から行われるのが通常です。

トップダウンの予算は、これくらい達成せよ、という
意味合いがあり、えてして過大になりがちです。

逆にボトムアップの予算は、最低限これだけ達成できる、
という考え方があり、保守的になりがちです。

過大、保守的のどちらに偏っても、
会社として成長できる予算は策定できません。

ですから、通常はこの2つのすりあわせを時間をかけて行い、
落としどころを決めていきます。

営業部門は売上から始まり、売上原価、経費の策定。

総務や経理、いわゆるコーポレート部門は
全社にかかわる経費や営業外収支、税金の見込みなどを
策定します。

営業部門の予算策定の基本的な考え方

営業部門の売上予算策定は、
以下の3つに分けると分かりやすいでしょう。

1.継続取引先の継続案件
2.継続取引先の新規案件
3.新規取引先の新規案件

これらを、当期の実績をもとに件数や取引高を積み上げ、
最終的に売上予算として確定します。

売上原価はこれらに対する原価を、これまた実績をもとに
積み上げていきます。
原価は根拠のある金額が算出できればもちろん一番いいのですが、
ある程度ざっくりと過去の原価率を使うという方法もあります。

経費については、現場でどのような経費が発生するかは
ある程度把握できているはずですので、
基本的には実績値をもとに発生が見込まれる金額を
積み上げていきましょう。

もっとも、これらの作り方は、取り扱う商品や販売形態によって
千差万別ですので、あくまで基本的な考え方に過ぎないもの
としてご理解ください。

コーポレート部門の予算策定の基本的な考え方

コーポレート部門は基本的に売上は上がりませんので、
経費、営業外損益、税金等を検討していくことになります。

経費、営業外損益は営業部門の経費と同じく、
発生が見込まれるものをもれなく積み上げていく方法がよいでしょう。

税金については、月ごとに所得金額を計算するのは
現実的ではないので、ここもある程度概算でよいです。

一番簡単な概算は、税引前当期純利益×実効税率で計算する方法。

もう少し詳細にやる場合は、交際費や配当金、一括償却資産といった
経費、営業外収益を見積もって所得金額を計算。
これに実効税率をかけるという方法。

さらに詳細にやる場合は、引当金やその他の加減算項目も計算して、
実際の所得金額に近づける方法です。

上場企業であれば、できるだけ詳細に行うのがよいのですが、
そうでなければ、経常利益以下はざっくりとでよいでしょう。

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予算と実績の差異分析

予算を決定したら、実際にその予算に基づいて
年度の活動をしていきます。

月次決算を行い、月ごとの予算と実績の差異を
分析し、経営者に報告をします。

特に経理部門は分析を率先して行うべきで、
月次実績が確定したらすぐに分析を行い、
営業部門と連携して差異を詰めていきます。

差異の詰め方は各社各様であると思います。

管理人は、割とのんびりした会社であったため、
正直なところそこまで神経を使わず、
例えば、差額の大きなところだけをピックアップし、
簡単な要因を上司に報告して終わり、
という程度でした。

売上高については、件数がどうとか単価がどうとかと
いった細かい話はなかったです。

ただ、管理人の例はかなりのんびりした部類なので、
大多数の会社はこれでは許されないでしょう。

今は、各営業部門の抱えている事業別や
果ては商品別までの金額を追いかけて、
ある程度差異要因の当たりをつけて、
営業部門からの報告とのすり合わせまで行っています。

差異分析で注意すること

分析を目的にしない

分析は手段に過ぎません。
差異を分析することによって、
今後の活動をどのようにするかを
決定するのが目的です。

したがって、事細かに分析するあまり
経営者への報告が遅れてしまっては本末転倒なのです。

売上高をはじめ重要な項目や差異金額の大きなところを
重点的に分析するだけでも十分役に立つ分析になりうるのです。

営業部門からの報告を鵜呑みにしない

心がけるべきは、単に営業部門からの報告を鵜呑みにしないこと。

売上高は横ばいなので問題ありません、という報告を受けたときに
「ああそうなのね」で済ませてしまうか、
「本当にそうなのか?」と掘り下げるのでは
経理部門としてのあり方は全く変わってきます。

本当にプラスマイナス0であればよいのですが、
例えば、営業部門が複数の事業を展開し、
A事業が+100、B事業が△100で
結果的に横ばいであった場合は、
B事業のマイナスの要因を掘り下げていく必要があります。

鵜呑みにしていては、このB事業が傷口を広げていき、
致命傷になってしまう可能性すらあるのです。

いわゆる戦略的経理部門になるためには、
むしろ経理部門が差異分析をすでに終わらせておいて、
営業部門からの報告に対して、不足している点を
指摘するくらいの気概がなければなりません。

予算の修正

予算どおりに行けばよいのですが、
そうはいかないのがつらいところです。

実績が当初の予算とあまりに乖離する場合には、
予算の修正も視野に入れなければなりません。

予算の修正は、
設定、差異分析がきちんとできていないと
することができません。

根拠のある設定、きちんとした分析ができていなければ、
そもそもどこをどのように修正して、
修正後の着地見込みがどのようになるかがわからないためです。

ちなみに上場企業が業績予想の修正を発表しなければならない
基準は以下のとおりです

基準[編集]
売上高:10%以上の増減があった場合
営業利益・経常利益・当期純利益:30%以上の増減があった場合

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%AD%E7%B8%BE%E4%BA%88%E6%83%B3%E3%81%AE%E4%BF%AE%E6%AD%A3

上場企業でなくても、この基準を参考に
予算修正の機会を設けておけば、
いざ乖離が大きくなったとしても、
混乱も少なくて済むのではないでしょうか。

まとめ

予算設定、差異分析、予算の修正を見てきました。

一口に予算と言っても大変に奥が深いものです。

予算は立てて終わりではなく、
実際に実行して、差異を分析して予算どおりに
着地できて初めて意味をなします。

何となく上がった、何となく下がった、
では会社の運営体制自体が疑われます。

全ての会社が上場企業並みとまではいかないでしょうけれども、
会社としてのレベルを上げる意味でも、予算管理をきっちりやっていきましょう!

 

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mail6_2
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