決算書類は一般的に以下のものをいいます。

貸借対照表(B/S)

損益計算書(P/L)

株主資本等変動計算書(S/S)

キャッシュフロー計算書(C/S)
このうち、今回は損益計算書を見ていきましょう!

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損益計算書の見方

損益計算書は「P/L(ピーエル)」と呼ばれます。
損益計算書とは、会計期間にどれだけ利益を稼いだか、を表す決算書類です。
会計期間は会社によって違いますが、
4月1日から3月31日までの1年間のところが多いのではないでしょうか。

さて、ここでいう利益とは何でしょう?

実は損益計算書には5段階の利益があります。
まずはこの5つの内容を覚えましょう。
・売上総利益
・営業利益
・経常利益
・税引前当期純利益
・当期純利益
では順番に見ていきましょう!

※注意※利益=現金とは限りません。これだけは絶対に覚えておいて下さい!

売上総利益

粗利(あらり)ともいいます。

売上総利益とは売上高から売上原価を引いた金額をいいます。
売上高は、商品を売った金額、
売上原価は、売った商品を仕入れた金額です。

身近な例では、あなたがブッ○オフで、本を100円で買い、
Ama○onで200円で売ったとしましょう。
この場合、売上高は200円、売上原価は100円、
売上総利益は100円となるわけです。

売上総利益は大きいに越したことはありませんが、
大きいからといって安心はできません

さてさて、どういうことでしょうか?

営業利益

営業利益とは、売上総利益から、
人件費や広告費、事務所の家賃など、
本業を行うために必要な経費(販売費および一般管理費)を引いたもので、
一般的に「本業のもうけ」を表します。

売上総利益が大きくても安心はできない。
その理由は、商品を売るには必ず経費がかかるためです。

売上総利益の例では、
本を100円で仕入れてきて、200円で売ったので、
利益は100円でした。
しかし、経費として、交通費100円がかかっていたら
営業利益は0円になってしまいます。
(売上総利益100円-交通費100円=営業利益0円)

ですから、全ての経費をまかなえるだけの
売上総利益を稼ぎ出さなければなりません。

そんなの当たり前じゃん。
と思われますよね?

ですが、実際の会社でも売上総利益で
経費をまかなえていないことが意外とあります。

・単に商品が売れなかった。
・営業担当者が商品を売りたいがために、無理な値引きをしてしまった。
・売上総利益以上に広告費をかけ過ぎてしまった。

などが、実際に起こっています。

当たり前のことだけど、意外とできていないことがある…。
これを読んでいるあなたは十分に気をつけてくださいね!

次は経常利益です。

経常利益

経常利益とは、営業利益から
営業外収益、営業外費用を加減したものです。
会社が通常の活動で得られる利益をいいます。

略して「けいつね」といわれることもあります。
営業外収益には、預金の受取利息、株の配当金
営業外費用には、借入金の支払利息
などがあります。

会社は、銀行口座の預金利息や株の配当を受けることを
本業とはしていません。
しかし、銀行口座にお金を預けている限り、株を持っている限り
受取利息や配当金は毎年発生します。
また、お金を借りている限り利息は支払い続けなければなりません。

営業利益では本業のもうけがどれだけあるかがわかりました。
しかし、会社には本業以外でも収益や費用が発生します
会社が本業以外の取引も含めて、経常的にどれくらいの利益を出しているか
を表すのが経常利益なんですね。

税引前当期純利益

経常利益は、本業以外にも通常どれくらいの利益を出しているか、
を表す利益でした。

通常、経常的…ということは、
通常ではないもの、臨時的・突発的なものもあるわけです。

臨時的に発生する収益や費用を
特別利益、特別損失といいます。

税引前当期純利益とは、経常利益に
この特別利益、特別損失を加減したものです。

特別利益、特別損失は不動産を売却したときの損益、
災害などで受けた損失などがあります。
例えば、貸借対照表に1,000万円(帳簿価額といいます)で計上されている土地を
1,200万円で売った場合は、
売値1,200万円-帳簿価額1,000万円=特別利益200万円
となります。

当期純利益

いよいよ5つ目の利益、当期純利益です。

当期純利益とは、税引前当期純利益から
法人税、住民税、事業税といった税金を引いたものです。
実際の税金以外にも、法人税等調整額という項目もあるのですが、
これは非常ーーーーに難しいため、別途説明しますね。

この当期純利益が最終的に会社が稼ぎ出した利益です。
この金額は、貸借対照表の純資産の部にある
繰越利益剰余金につながります。

例えば、期首(4月1日)の繰越利益剰余金が1,000円だったとします。
1年間の当期純利益が100円でした。
そうなると、期末(3月31日)の繰越利益剰余金は、
期首1,000円+当期純利益100円=1,100円
となります。

決算書類はそれぞれ無関係ではなく連動している
ということを覚えておいて下さい。

まとめ

損益計算書には5つの利益がある。

売上総利益 商品の売上金額から仕入金額を引いたもの。売上高-売上原価
営業利益  本業の利益。売上総利益-販売費および一般管理費
経常利益  本業以外を含む通常の利益。営業利益+営業外収益-営業外費用
税引前当期純利益 臨時的な損益も含んだ利益。経常利益+特別利益-特別損失
当期純利益 最終的に手元に残った利益。税引前当期純利益-税金

利益=現金とは限らない!

長い文章にお付き合い下さいましてありがとうございます!
まずは、この5つの利益があるということと、
それぞれの利益がどんな意味なのか、ということを覚えておきましょう!

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本日も記事をお読み下さいましてありがとうございます。
どんなことでも結構です。
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