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法人税別表4と別表5-1の書き方 留保と社外流出

法人税の申告書はいったいどこに何の金額を入れればいいのだろう…?
こんな疑問を持っている方は多いことでしょう。

管理人は、最初は見よう見真似で作るのが精一杯でした。
何と、引継ぎも無く、前任者が退職してしまったのです!

今回は複雑怪奇な法人税申告書の中心となる、
別表4、別表5-1についてお話します。

この2つがきちんと作れれば、法人税申告書は完成したも同然です!

他の別表(別表5-2、別表6、別表8、別表15、別表16…等)もありますが、
実はこれらは別表4の金額の算出根拠のようなものです。
別の記事で解説をいたします!

別表4

別表4は、いわば「法人税のPL」です。

会社の決算の当期純利益を出発点として、
これに加算と減算をし、課税所得を計算します。

加算と減算については、過去の記事が参考になります。

様式は、国税庁HPで公開されています。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2013/pdf/04b.pdf

また、「法人税申告書フォーム集」様のサイトで
エクセル版が公開されています。
手作り感のある、懐かしい雰囲気のサイトに癒されます。
別表は本格派!作りこみが半端じゃない。とにかく素晴らしいです!
http://www.asahi-net.or.jp/~YX5R-MTO/

さて、簡単に見方を説明しますね。
わかりやすさを重視するため、最低限の説明に留めます。

まず表の形式として目に付くのが、一つの項目に対して
3つの記入欄(①総額、②留保、③社外流出)があることです。

①総額

読んで字のごとくその項目の総額です。
基本的には、主に会社のPL(一部BS)の金額が入ります。

②留保

厳密な意味は割愛しますが、ここの金額は別表5-1に連動します。
引当金関係をはじめ、ほとんどの加算項目、減算項目はここに入ります。
そして、ここに入った金額は、翌年度以降に減算、加算がされます。
どういうことでしょうか。
これは、別表5-1のところと合わせて、下のほうで説明します。

③社外流出

留保項目とは逆に、ここの金額は別表5-1に連動しません。
配当金、一部の税金、交際費、役員報酬の損金不算入等、
限られた項目がここに入ります。
さて、別表5-1と連動するとかしないとか出てきましたが、
これはどういうことでしょう?
別表5-1の見方がわかれば、これも理解できると思います。

別表5-1

別表5-1はいわば「法人税のBS」です。

左から順に、①期首現在利益積立金額、②減、③増、④差引翌期首現在利益積立金額
となっています。
利益積立金額は、別表4で留保となっているものの残高という理解で差し支えありません。

具体例を挙げましょう。
例えば、賞与引当金。
別表4では、当期の繰入は加算・留保の項目になります。
今期は賞与引当金が100万円加算になったとしましょう。
別表4では、加算・留保の項目に100万円、
別表5-1の③増の欄には100万円が入ります。
これが、別表4の留保項目が別表5-1と連動するということです。

では、②減は?
同じく賞与引当金を例にとると、当期に90万円の取崩があったとします。
これは、別表4では減算・留保の項目に90万円が記載されます。
別表5-1では②減の欄に90万円が入ります。

これが、留保のところに入れたものは、翌年度以降、減算、加算されるということです。
上の例では、今期100万円加算していますが、翌年度はこの100万円を戻し入れするので、
その時には、100万円減算をします。

だんだん別表4と5-1のつながりが理解できてきたのではないでしょうか?

別表4で加算・減算の留保の欄に入れたものは、別表5-1で増減の欄にそれぞれ入れる。
別表4で社外流出に入れたものは、別表5-1には何も入れない。
たったこれだけです。

まとめ

別表4と5-1は法人税申告書の中心になる別表です。
この2つは連動していて、別表4の留保項目は、別表5-1の増減に転記します。

どこよりもわかりやすい説明を心がけています。
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