転職時に忘れてはいけないのが、引継書の作成。
法的な義務ではないのですが、やはり立つ鳥跡を濁さず、きちんと引継ぎをして気持ちよく退職をしたいものです。
しかし、引継書は作るのに意外と労力がかかるもの。
どのように作るべきか、その心構え、実際の作り方をご紹介します。
引継ぎは計画的に
いざ転職することが決まったら、今の職場の引継ぎを計画的に行うことは退職する者の最低限のルールです。
法律上は2週間前に申し出れば自己都合による退職は認められることになっていますが、だからと言って「2週間後に退職させて頂きます」では引継ぎ期間としては十分ではありません。
退職する意思を固めたら、引継ぎのことも考えてできるだけ早く上司に伝えるようにしましょうね。
すぐに後任が見つかれば退職までの期間、一緒に業務を行いながら、直接引き継いでいくことも可能です。
しかし退職までに後任が決まらないケースも多いもの。
また有休消化などで最終出勤日が思ったより早まることも考えられます。
退職が近くなってくるということは、新しい職場への出勤日も近づいてくるため、何かと慌ただしく落ち着かないものです。
間際でバタバタとして周囲に迷惑をかけないように、退職日から日にちを逆算して計画的に引継ぎを進めていきましょう。
また、退職した後で発生するトラブルを避けるためには、自分と後任者の担当する業務の線引きをはっきりとしておくことが大切です。
年度末などに退職する場合は比較的スムーズにいきますが、時期によってはかなり混乱することもあります。
引継ぎがスムーズにいくかどうかは退職時期にも大きく関わってくるという事も覚えておいてくださいね。
転職開始と同時に作り始める
スムーズな引継ぎをするためには、転職活動と引継ぎを同時進行で進めていく必要があるでしょう。
転職の決意を固めた時点で、引継書を作り始めましょう。
またどの段階で会社に退職する旨を伝えるかもスムーズな引継ぎができるかどうかを左右します。
仕事をしながら転職活動をすることはかなり時間を奪われます。
それに加えて引継ぎ業務を行っていくということは、思っている以上に大変なことです。
転職することを決心したのであれば、転職活動開始と同時に、少しずつ引継ぎノートなどを作り始めていくようにしましょう。
抱えていた業務量によって引継ぎノートを作る大変さは変わってきますが、普段当たり前のように行っている業務を文章化したり、ファイル整理をすることはかなり時間のかかる作業です。
まとめるポイントは「誰が見ても分かるように」ということ。
業務の流れや作業の要点などを、テーマ別、取引先別に整理したり、一覧表などを作っておいたりするといいでしょう。
このノートを見れば、誰が後任になっても一通りの業務はこなせる、というようなノートが理想的です。
業務時間内に作成することが難しい場合には、少し早く出社したり、休憩時間を利用するなど、少しずつ進めておくようにするといいですね。
作る手順
担当業務の棚卸
転職をするときは職務経歴書を必ず作成しますよね。
担当業務の棚卸は、この職務経歴書作成と同時に行うと一石二鳥です。
自分が今何を担当しているかを書き出してみましょう。
時系列に並べる
続いて担当業務を時系列に並べてみましょう。
確定申告など季節的な仕事であれば、一年のうちの何月にやるのかという年間スケジュール、毎月10日に行うなどといった月別であれば月間スケジュール、さらに毎朝、朝一にやるというような業務であれば日別のスケジュールを立てると整理しやすいですよ。
業務ごとの手順書を作る
担当業務を全て並べたら、いよいよ手順書の作成です。
ここでは、大げさなフローチャートなどを作る必要はありません。
ワードやエクセルを使い、関連するシステムの画面や資料の見本の画面コピーを貼り付けて、文章で、画面や資料の見方、使い方等のコメントを入れれば十分です。
ここで大事なのは、順序良く書き出すのはもちろん、見た人が何をすればよいのかをはっきりさせることです。
手順書通りに進めていって、手が止まるようであれば不十分ということです。
また、例外事項を盛り込んでいくときりがなくなってしまうので、あくまで本筋をメインに作成して、余裕があれば例外や注意点を入れるようにすれば効率よく作れます。
まとめ
引継ぎは、転職前の最後の大仕事です。
担当している業務が多ければ多いほど時間がかかります。
本当に思っている以上に時間がかかります。
私自身の体験では、1か月もあれば終わるだろうと思って余裕でいたら、さらに2週間ほどかかってしまい、有休消化ができませんでした。
転職前の楽しみ、有休消化を行うためにも普段から計画的に業務の棚卸を行い、いつでも引継ぎができるようにしておきましょう。
なお、引継書の作成は転職を考えていなくても、普段から行っておくと仕事を任せたい時や休みを取りたい時などに役に立ちますよ。
とはいえ、転職中のスケジュール調整は難しいものです。
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