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海外出張の処理方法 航空券の消費税や換算レートをわかりやすく解説

海外出張がある時、経理処理がよく分からないという担当者様が多いのではないでしょうか?

管理人自身もよく迷いますし、質問を受けることも多いです。

今回は、海外出張の経理処理についてお話していきます。

海外出張の航空券、燃料サーチャージ、日当などの消費税や換算レートなども踏まえて、経理処理をマスターしてしまいましょう!

海外出張の各種消費税

航空券代の消費税

航空券代の消費税は、免税になります。
これは、消費税法での国際輸送に該当するものとして取り扱われるためです。

(輸出免税等の具体的範囲)
7-2-1 法第7条第1項及び令第17条各項《輸出免税等の範囲》の規定により輸出免税とされるものの範囲は、おおむね次のようになるのであるから留意する。(平15課消1-13、平18課消1-1、平22課消1-9、平23課消1-35、平25課消1-34により改正)

(3) 国内及び国外にわたって行われる旅客又は貨物の輸送(国際輸送の一環として行われる国内輸送区間における輸送を含む。)

出典:国税庁
http://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/07/02.htm

燃料サーチャージの消費税

さて、微妙にわかりにくいのが燃料サーチャージ。
燃料代の高騰を利用者が負担するというものですが、これは運賃に含めて考えます。

そのため、航空券代の消費税と同じように免税となります。

空港使用料の消費税

空港使用料という名目で支払いをしなければならないことがあります。
空港の設備やサービスを利用するためにとられる費用、というものですね。

これは、国内の空港であれば、何の変哲もない国内での役務提供になりますので、課税取引として処理をします。

代理店手数料の消費税

旅行代理店に海外出張の手配をお願いした場合、代理店手数料がかかります。
これは、国内の旅行代理店が私たちに代わって、航空券等の手配をしてくれているという役務提供の対価なので、課税取引になります。

空港までの交通費の消費税

ここでは2つのケースが考えられます。
1.自宅や会社から空港までの電車賃やタクシー代
2.空港から空港への国内線の乗り継ぎ
です。

電車賃やタクシー代

これは、通常の国内旅費として課税取引として処理するのが一般的です。

国内線の乗り継ぎ

最寄りの空港から国際便が出ていない場合、羽田や成田等の空港で乗り継ぎをします。
この国内線については、普通に考えれば国内だけの移動なので課税取引となりそうです。
もし、個別に国内分の航空券を買ったとしたら課税取引で差し支えありません。

しかし、国税庁によりますと、条件付きで国際輸送の一環として取り扱うことができるとしています。
例えば、国内線と国際線の運賃が一括して請求書などに記載されている場合がこれに該当し、免税となります。

(旅客輸送に係る国際輸送の範囲)
7-2-4 法第7条第1項第3号《国際輸送等に対する輸出免税》に規定する国内及び国内以外の地域にわたって行われる旅客又は貨物の輸送は、国内から国外への旅客若しくは貨物の輸送又は国外から国内への旅客若しくは貨物の輸送(以下「国際輸送」という。)をいうのであるが、国際輸送として行う旅客輸送の一部に国内における輸送(以下「国内輸送」という。)が含まれている場合であっても、次の全ての要件を満たす場合の国内輸送は、国際輸送に該当するものとして取り扱う。(平23課消1-35により改正)

(1) 当該国際輸送に係る契約において国際輸送の一環としてのものであることが明らかにされていること。

(2) 国内間の移動のための輸送と国内と国外との間の移動のための国内乗継地又は寄港地における致着から出発までの時間が定期路線時刻表上で24時間以内である場合の国内輸送であること。

出典:国税庁
http://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/07/02.htm

出張日当の消費税

日当は海外での活動によるものとみなして、消費税対象外となります。

No.6459 出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い
 国内の出張又は転勤のために、役員又は使用人に対して支給した出張旅費、宿泊費、日当については、支給した金額のうちその旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れになります。
 ただし、海外への出張又は転勤のために支給した出張旅費、宿泊費、日当は原則として課税仕入れになりません。
 また、事業者が使用人等に支給する通勤手当(通勤定期等の現物による支給を含む。)のうち通勤のために通常必要とする範囲内のものは、所得税法上非課税とされる金額を超えている場合であっても、その全額が課税仕入れになります。

(消基通11ー2ー1、11-2-2)

(平成29年4月1日現在の法令等によっています。)

出典:国税庁
http://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6459.htm

海外での諸費用の消費税

現地で移動したり、買い物をしたり、役務提供を受けたりすることが当然あります。
これらは、全て消費税対象外です。

消費税は、基本的に日本国内での取引が対象となり、海外では対象とならないためです。

No.6210 国外取引
国外取引 ~ 三国間貿易など
(1) 国外取引については、消費税は課税されません(不課税)。
 国内取引か国外取引かの判定(内外判定)は、次によります。

イ 資産の譲渡又は貸付けの場合
 資産の譲渡又は貸付けの場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その譲渡又は貸付けが行われる時においてその資産が所在していた場所で国内取引かどうかを判定します。
ロ 役務提供の場合
 役務の提供の場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その役務の提供が行われた場所で、国内取引かどうかを判定します。
※ 平成27年10月1日以後、電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するか否かの判定基準(内外判定基準)を、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から、役務の提供を受ける者の住所等とする見直しが行われました。
 これにより、国内に住所等を有する者に提供する「電気通信利用役務の提供」については、国内、国外いずれから提供を行っても課税対象となります。
 詳しくはコード6118 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等についてをご参照ください。

出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6210.htm

旅費精算時の換算レートの考え方

海外では当然、円を現地通貨に変えなくてはなりません。
問題は精算するときのレート。

決まりはないのですが、例えば、両替の時の計算書を精算時に添付して両替時のレートで換算するという方法やクレジットカードであれば引き落としを待って、引き落とし時のレートで旅費の精算をするということが考えられます。
管理人の経験でも、この二つの事例しかあたったことがありません。

旅費の精算をするときは、基本的に領収書等の証憑書類を添付しなければならないので、上記のような書類をつけておけばよいでしょう。

まとめ

海外出張は、会社によっては頻度が多くなく、たまに発生したときには迷ってしまいますよね。
迷ったときは、上記の考え方を参考にして、正しい処理をするようにしていただければ管理人冥利につきます。

どこよりもわかりやすい説明を心がけています。
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