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実効税率20%台に引下げ。税効果への影響はどうか?

2016年度の実効税率を29.97%とするということで最終調整に入りました。
今が32.11%なので、2.14%の引き下げです。

と思いきや、18年度にはさらに下げて29.74%になるようです。
しかも、繰越欠損金の控除が65%→50%と段階的に下がっていきますが、
さらに控除できなくなるの…?

税率が下がって、減税になるんじゃないの?と思いきや
外形標準課税の負担が重くなり、結局大して変わらなくなりそうです。
資本金1億円超で、赤字の会社は負担がより重くなってしまいますね。

 

減税が大して期待できない上に、忘れてはならないのが税効果

実効税率の引き下げから、大幅な取り崩しが発生して、PLの数字が非常に悪くなることでしょう。
管理人もそのことで頭を抱えています。

具体的に税効果にはどのような影響が出てくるのでしょうか。
実例をあげながら見ていきましょう。

税効果についての過去記事は下記リンクをご参照ください。
繰延税金資産って何だ?仕訳はどうやるの?
税効果の計算方法を具体的に解説
税効果会計の基本をどこよりもわかりやすく解説

一番上の表は、2015年度に発生した一時差異とその解消の時期です。
真ん中の表は、実効税率の変更が無かった場合の税効果、繰延税金資産の金額です。
一番下の表は、今回の実効税率引下げ後の金額です。

一番下の表の繰延税金資産の金額が、真ん中の表の金額に比べて少ないですよね。

実際、税効果を計算している会社では一時差異の金額の桁が
この例よりも一桁か二桁多いのではないかと思います。

これだけ実効税率が下がってしまうと影響がとんでもないですね。

繰延税金資産の取り崩しで、数千万から数億円の当期純利益が吹っ飛ぶので
それをカバーする施策を打ち出さなければなりません

売上高をがんばって上げていくのか、
コストを今以上に削減するのか、
投資を後ろ倒しにするのか…。
それぞれの会社で最良と思われる対策を練っていかなければなりませんね。

実効税率が20%台になるらしいというニュースが入ってから
管理人も上司に呼び出され、税効果の試算をする毎日です…。

もしあなたも同じような境遇になったら、ぜひこの記事をご参考になさってください。
管理人冥利に尽きます。

どこよりもわかりやすい説明を心がけています。
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