『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか』
ぜひ読んでほしい方
財務会計がわかればいいんでしょ。と思っている
かつての管理人のようなとんでもない考えを持っている方。
日商簿記3級レベルの知識がある方。
工業簿記も出てくるので、2級の知識があればなお良し!
この本で得た知識は、必ずお仕事の役に立ちます。
概要
財務会計とは違う管理会計の知識が
物語形式でわかりやすく解説されています。
主人公は新米社長・矢吹由紀。舞台はアパレル会社「ハンナ」。
物語は、先代社長の父が亡くなり、
由紀が社長に任命されるところから始まります。
そして、メインバンクからの突然の融資打ち切り通告。
一年間で、傾きかけのハンナを立て直せなければ、
貸付金を無理やり回収すると言ってきたではありませんか!
しかも、由紀の自宅は担保に入れられ、個人保証までさせられてしまいます。
一年間で会社を立て直せなければ無一文。
困った由紀は、母に相談。
同じマンションに住む、怪しげな会計士・安曇にコンサルを依頼します。
由紀は安曇のアドバイスを受けながら、
会社の建て直しを図っていきます。
次々と襲い掛かるトラブルや
社内の反乱分子をどうやって蹴散らすのかも見ものです!
レビュー
この本は管理人にとって非常に思い入れのある本です。
理由は二つ。
一つは本を全く読まなかった管理人に読書を始めるきっかけを与えたこと。
二つ目は、管理人を管理会計の道へと引きずり込んだこと。
つかみどころがなく、難しいと思われがちな管理会計を
物語形式で易しくわかりやすく、しかも、面白く解説してくれています。
餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? (PHP文庫)
全11章の構成で、主な論点は以下のとおり。
第1章 損益計算書
第2章 貸借対照表
第3章 キャッシュフロー経営
第4章 経営計画と月次決算のPDCAサイクル
第5章 損益分岐点
第6章 ブランド価値
第7章 粉飾決算の見破り方
第8章 原価管理
第9章 機会損失と意思決定
第10章 会計数値の異常値
第11章 逆粉飾
どうでしょう?
頭が痛くなるような内容ですよね。
もし、管理人がこの内容で「お堅い」本を読んだとしたら
3ページで眠くなり、読破するのに3ヶ月かかるでしょう。
ですが、そこは著者の腕。
少しでも予備知識があれば、スラスラと読めてしまいます。
例えば、貸借対照表の見方。
巷の入門書や教科書に書かれているのは、
右側はどうやって資金調達をしているか、
左側はその資金をどう使っているか、です。
調達した資金を使って、
材料や商品を仕入れ、販売する。
製造業であれば、工場で製品を作る。
これを次のように言い表しています。
バランスシートの左側は、現金と現金製造機そのもの(固定資産)と、
現金製造機の内側(流動資産)が描かれているのである。
また、資金の回転速度と儲けについても
お寿司の大トロとコハダという身近な例を挙げてくれています。
コハダは儲かる。しかし、大トロは儲からない
確かに一貫あたりの利益は大トロの方が大きいから、
コハダより儲かるように錯覚する。しかし、資金量に着目すると
コハダに軍配が上がる。(中略)
だから、コハダは少ない資金を繰り返し回転させる(使う)ことで
たくさんの現金を稼ぎ出せる。
しかし、大トロは売り切るまでに一ヵ月もかかるから、その間、
資金が寝てしまう
そして、
題名にもなっている、餃子屋と高級フレンチについて。
これは、それぞれのビジネスモデルにおける
利益構造を解説しています。
餃子屋と高級フレンチは○○と××が違う。
これは儲けを考える上で、超重要なポイントです。
いかがでしょうか。
もちろん、全編にわたって、身近な例を挙げながら
わかりやすく解説をしてくれています。
管理人の座右の書、是非あなたもお手に取ってみてくださいね!
管理人の実践
管理人はこの本を読む前に、
日商簿記1級と税理士簿記論、財務諸表論を勉強していました。
だから、教科書に書いてあることはわかっているつもりでした。
しかし、いざ人に説明しろとなると、教科書に書いてあるような
説明の仕方では理解してもらえません。
教科書で凝り固まってしまった管理人には、まさに目からうろこ。
こんなに易しい解説の仕方があったのか!とただただ驚愕です。
名前は知っていた管理会計。
基礎的な内容を一通り網羅しています。
管理人は正直、変動費や固定費、貢献利益をあまり重要視していませんでした。
財務会計が全て、という、今思えばとんでもない考えをしていたんですね。
こんな考えを変えてくれたので今がある、といっても過言ではないでしょう。
コンパクトな文庫本の他、漫画版もあります。
活字が苦手な方は漫画版もご検討下さい!
どこよりもわかりやすい説明を心がけています。
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