経理の仕事をしていくうえで、切っても切れない関係になるのが顧問税理士。
顧問税理士がどのような先生かどうかで、会社の日常業務や決算、税務申告まで変わってきます。
今回は、顧問税理士についてお話していきます。
税理士の探し方を手っ取り早く知りたい、という方は目次の「税理士の探し方」をクリックするか、この記事の一番したまでスクロールしていただければと思います。
税理士の種類
税理士には大きく分けて2通りの方がいます。
一つは、国税OB。
国税OB税理士は国税局や税務署を定年退職した方々です。
いわゆる「おじいちゃん先生」です。
もう一つは、税理士試験合格者です。
こちらは学生時代から勉強されてきた方や、会社勤めをしながら勉強してきた方です。
どちらも一長一短あり、どちらが良いかというのは一概には言えません。
次にそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
国税OB税理士のメリット
国税OB税理士のメリットとして、税務調査をはじめとする税務署対応に一日の長がある、ということがあげられます。
国税局や税務署は、警察組織と似ていて、意外と強固な縦社会です。
財務省や国税庁といったキャリア組と国税局の一般職員であるノンキャリア組に分かれます。
このような縦社会の構造であるので、OBの影響力は絶大です。(もちろん人にもよりますが)
ですから、国税OBが顧問税理士としてついていれば、税務調査の時、調査官も無理を言わない・・・などという話が聞こえてくることもあります。
さすがにそこまであからさまではなくとも、国税OBは自分自身が税務調査をしてきた経験があります。
ですから、税務署側の税務調査の出方を知り尽くしているのです。
国税OB税理士のデメリット
デメリットとしては、若干フットワークが重く感じられる、ということがあります。
管理人が何人かの税理士の先生と関わった感想です。
メールでの質問ができなかったり、回答のFAXが手書きで何枚も…という経験があります。
税務中心になり、財務や会計面が弱いことがあります。
企業会計が全く分からないということはないのですが、最新の会計知識や資金繰りといった高度な財務や会計はあまり得意ではない、という可能性があるのです。
これまた人によっては、なのですが、若干偉そうな態度が見受けられます。
古い国税局の体質なのか、「お役人」気質の方が一定数いるのでしょう…。
試験合格者税理士のメリット
試験合格をした税理士は、国税OB(若くても60歳)に比べ若い人が大多数です。
言い方は悪いですが、定年後の第2の人生としてやっている国税OBに比べると、やはりバリバリ度が違います。
管理人がお世話になった先生でも、独立して事務所を開いている若手税理士の方がいらっしゃいました。
この方はフットワークが軽く、非常に親身に相談に乗ってくれました。
この方の前に契約していた先生はご高齢だったので、フットワークの軽さに衝撃を覚えたものです。
会計知識は、商業簿記に関しては日商簿記1級レベル(かなり高い)とみてよいです。
税理士試験には、簿記論、財務諸表論という会計分野の試験があります。
簿記論は計算問題、財務諸表論は論述+計算問題です。
これらの試験範囲は、日商簿記1級の商業簿記、会計学とほぼ重なります。
税理士になるための必修試験なので、試験合格した税理士の会計知識は、ほとんどの企業の経理部と対等かそれ以上と見てよいです。
試験合格者税理士のデメリット
これは国税OBとは逆に、税務調査の時に税務署側の出方がわからないことがあるということが挙げられます。
やはり税務署側は思いもよらないところから攻めてくることがあるので、こればかりは内部にいた人に一日の長があるでしょう。
また、税理士試験は必修科目はあるものの、全部の税目を網羅しているわけではありません。
例えば、法人税、消費税、事業税の3つの税法に合格して税理士になった人は、所得税や相続税の知識は改めて独学をするか、1から実務をとおして経験しなければなりません。
税理士の選び方
これらのメリット、デメリットを踏まえたうえでどのように税理士を選ぶか、です。
親身に相談に乗ってくれるか
日々の経理業務の中で、税務がらみの判断に迷うことが多々あります。
これは交際費になるのかならないのか、固定資産になるのかならないのか、会計と税務の処理方法の違いはあるのか、など、意外と判断が必要になる機会が多いのです。
税務申告は年に数回だけですし、税務調査を受けて初めて間違いに気づくということも珍しくありません。
ですから、そういうことが無いように、税理士に相談をするわけです。
ここでぞんざいな扱いをせずに、親身に話を聞いてくれて、正しい判断を下してくれる税理士を選ぶのがよいでしょう。
また、税理士は経営コンサルタントとしての付き合い方もあります。
無資格のコンサルタントよりも、資格の裏付けや税理士法による守秘義務があるため信頼できるといえるでしょう。
当然、コンサルタントとして付き合うのであれば親身でなければ、取引は続けられません。
偉そうな態度はとっていないか
税理士に限らず、士業はなるのが難しく、「先生」と呼ばれる職業です。
ここで、自分の身分を勘違いしてしまう人も、残念ながら一定数いるのです。
管理人の経験では、国税OBでやはり愛想の悪い方に出会ったことがあります。
「申し訳ありませんが、本日ちょっとだけでもお時間をいただけないでしょうか?」とお願いしたところ、「あーだめだめ。今日は忙しいから。」とけんもほろろな対応を受けました。
説明がわかりやすいか
意外と専門家に多いのが、説明がわかりにくい、という人です。
当サイトの開設趣旨でもあるのですが、ネット上の会計事務所、税理士事務所、監査法人のサイトの説明が、専門用語ばかりで軒並みわかりづらいので、わかりやすい会計のサイトが欲しかったのです。
実際のメールや口頭の説明でも、専門用語ばかりでわかりにくい方はいらっしゃいます。
税理士との会話はもちろん専門性の高い事柄ではあるのですが、そこを噛み砕いて誰にでもわかりやすく説明するのが、一つの技量です。
フットワークは軽いか
これは、文字通り困ったときにすぐに駆け付けてくれるか、定期的に訪問してくれるかということから、質問に対するレスポンスの早さまでを見ることになります。
税理士に対する質問は、困っている上に重要性が高いこと、ですよね?
これに対して、素早く的確に回答をもらえないようでは、顧客満足度が低いと言わざるを得ません。
管理人の経験では、大手の税理士法人でややフットワークの重さを感じたことがあります。
担当された方が、やや年配の方だったというのもあるかもしれませんが、質問をしても1日~2日程度空いてからご回答をいただけた、ということが多かったです。
フットワークの軽さは、満足度の大きなウエイトを占めますので、税理士選定の時にはどのくらいで質問に対するご回答をいただけるか、を確認しておくとよいでしょう。
自社の業界の知識は豊富か
業界によって、注目すべき税務の項目や財務諸表の数字の表れ方は様々です。
全ての税理士が全ての業界に精通しているということはまずありませんので、できるだけ自社のいる業界に詳しい税理士を選んだ方が、業界特有の税務の知識・経験が豊富であればあるほど、日常のアドバイスや税務申告がスムーズにいくことでしょう。
会社の味方になってくれるか
税務調査の時に、税務署側に立ってしまう税理士も残念ながらいらっしゃいます。
また、杓子定規的に税法に書かれている通りにしか処理できない方もいらっしゃいます。
税理士は本来、会社の味方であり、誤解を恐れずに言うと税法の穴をついて、できるだけ会社が有利になるように取り計らうのが仕事の一つです。
いわゆる節税です。
いざという時、会社の味方になってくれるかは、税務調査のスタンスを確認するとよいでしょう。
絶対に会社のために交渉を続ける、というスタンスの確証が持てればOKです。
まとめ
税理士選びについてお話しました。
税理士の種類と、それぞれのメリットデメリット、そして良い税理士を選ぶポイントをしっかり押さえて、経理業務のレベルを上げていきましょう。
税理士は経営コンサルタントとしての付き合い方もあります。
税務申告書のハンコだけでは、顧問料がもったいないのです。
ですから、税務はもちろん、財務や会計といった経営にも明るい税理士が見つかれば言うことなしです。
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