簿記の勉強をしたり、会社で経理の仕事を始めたときに気になることの一つに、売掛金、買掛金って何?というのがあります。

「掛けで売った、買った」なんて言われても、最初は何のことだかわかりませんよね。
管理人は全くわかりませんでした。

今回は、売掛金、買掛金って何?という疑問を解決します。
仕訳もマスターしてしまいましょう!

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売掛金・買掛金とはそもそも何?

店がほかの店から商品を買うときは代金を支払わなければなりません。

その時、単純に現金で払ったり、小切手を作って渡したりという支払方法がありますが、商品の代金を後で払うという方法もあります。

これが掛け取引といって、それを当事者間で見た表現が「買掛金」「売掛金」です。

簿記の教科書や問題で、「代金は掛けとした」とかいう表現で出てくるのがこれです。

掛取引とは商品取引の支払い方法の一つで、商品の引渡し時には代金支払いを行なわず、決められた期日までに後日支払いを行なうこと。信用取引とも呼ばれる。(引用:wikipedia)

いわゆる「ツケ払い」のお店版ですね。

例えばA商店がB商店に商品を売り、代金を掛け(=ツケ)にしたとします。

この場合、B商店は商品をもらったのにお金を払っていませんから、後で払わなければなりませんよね。

逆に言えば、A商店は商品を渡したのにお金をもらっていませんから、後でB商店から代金をもらうことができます。

この、後でもらう、後で払う、ということを表した勘定科目が売掛金、買掛金です。

この場合、商品を受け取り、代金を後で支払う義務のあるB商店から見ると「買掛金」という負債が増加し、代金を後で受け取る権利のあるA商店から見ると「売掛金」という資産が増加することになります。

具体的な数字で見てみましょう!

(例題1)
A商店は8,000円で仕入れた商品をB商店に10,000円で売り、代金は掛けとした。

分記法と三分法で仕訳をしてみます(分記法、三分法については別記事で解説しています。試験や実務ではほとんど三文法ですが、分記法も試験に出されることがあります。)

【分記法】
[A商店から見た仕訳]
B商店へ8,000円分の商品を渡したので、商品という資産が8,000円減少します。

そして、商品代金10,000円は後で受け取る権利があるので、売掛金という資産です。

最後に、8,000円で仕入れた商品を10,000円で販売したので、差額の10,000-8,000=2,000円が利益となります。

(借方)     (貸方)
売掛金 10,000  商品 8,000
         商品売買益 2,000

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[B商店から見た仕訳]
A商店から10,000円分の商品を受け取ったので、商品という資産が10,000円増加します。

そして、商品代金10,000円は後で支払う義務があるので、買掛金という負債になります。

(借方)    (貸方)
商品 10,000  買掛金 10,000

【三分法】
[A商店から見た仕訳]
A商店はB商店に10,000円で商品を売り上げたので、売上という収益が発生します。

そして、その商品代金は後で受け取る権利があるので、売掛金となります。

(借方)     (貸方)
売掛金 10,000  売上 10,000

[B商店から見た仕訳]
B商店はA商店から10,000円で商品を仕入れたので、仕入という費用が発生します。

そして、その商品代金は後で支払わなければなりませんので、買掛金となります。

(借方)    (貸方)
仕入 10,000  買掛金 10,000

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売掛金・買掛金の支払い

先ほども説明したとおり、売掛金で商品を売った会社は後でそれを回収しますし、買掛金で仕入れた会社はそれを支払わなければなりません。

その仕訳についてご説明します。

先ほどの例題1の後、B商店がA商店にその代金10,000円を支払ったとします。

その場合、B商店は買掛金という負債が減少し、A商店は売掛金という資産が減少します。

そして、その場合の相手勘定項目は具体的に買掛金(売掛金)を何で支払ったか(受け取ったか)で変わってきます。

(例題2)
B商店はA商店に対する買掛金の支払いとして、10,000円をB商店の当座預金口座からA商店の当座預金口座に振り込んだ

この場合は商品の売買とは関係ないので、分記法も三分法も仕訳は同じです。

[A商店から見た仕訳]
A商店は売掛金の支払いを受けたので、売掛金という資産が減少します。

そしてその代金は当座預金口座に振り込まれたので、当座預金という資産が増加します。

(借方)      (貸方)
当座預金 10,000  売掛金 10,000

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[B商店から見た仕訳]
B商店は買掛金を支払ったので、買掛金という負債が減少します。

そしてその代金は当座預金口座から支払ったので、当座預金という資産が減少します。

(借方)     (貸方)
買掛金 10,000  当座預金 10,000

(例題3)
B商店はA商店に対する買掛金の支払いとして、10,000の小切手を振り出した。

[A商店から見た仕訳]
A商店は売掛金の支払いを受けたので、売掛金という資産が減少します。

そしてその代金は小切手を受け取ったのですが、受け取った小切手は簿記では現金として処理します。

なので、現金という資産が増加したことになります。

(借方)    (貸方)
現金 10,000  売掛金 10,000

[B商店から見た仕訳]
B商店は買掛金を支払ったので、買掛金という負債が減少します。

そしてその代金として、小切手を振り出したのですが、振り出した小切手は当座預金の減少として処理します。

なので、当座預金という資産が減少します。

(借方)     (貸方)
買掛金 10,000  当座預金 10,000

まとめ

売掛金、買掛金についてご説明いたしました。

「掛け」だとか「信用取引」だとか難しい言葉で説明されることが多いですが、要は代金を「後でもらう」「後で払う」というだけです。

仕訳もそこまで複雑ではないので、すぐに慣れますよ。