決済に当座預金を使っている会社はたくさんあります。

利息は付きませんが、仮に銀行が倒産したとしても預金が全額保護されたり、小切手を発行したりできるということで、会社として利用するのには何かと便利なんです。

当座預金のメリットの一つとして、当座借越というものがあります。

これもいざという時に便利な機能です。

今回は当座借越についてご説明いたします。

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当座借越って?

ほとんどの会社では取引先銀行との間に当座預金の口座を持っています。

当座預金は利息はつきませんが小切手を振り出して(発行して)支払いをしたりできるので会社の決済口座として利用する事が多いです。

私達のような個人は普通預金口座になりますね。

通常当座預金は口座の残高より多い金額の小切手を振り出す事はできません。

口座残高がマイナスになってしまうから当たり前ですよね。

ただ、銀行と「当座借越契約」を結ぶと一定の金額を引き出す事ができるようになります。

当座預金の残高より多く引き出す事を「当座借越」といいます。簡単に言うと銀行に借金をする事です。

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実際の処理方法は?

ではこの当座借越を簿記上どう仕訳すればいいのか?当座借越の処理は一勘定制と二勘定制の二つのやり方があります。

一勘定制・・・「当座」という1つの勘定科目だけで処理する方法
二勘定制・・・「当座預金」と「当座借越」と二つの勘定科目で処理する方法

まぁ、そのまんまだよね、といった感じでしょうか。

一勘定制だと、「当座」という科目の残高がプラスだったりマイナスだったりになります。
マイナス残高だと、当座借越をしているんだな、という意味になります。

二勘定制は、二つの勘定科目を使い分けますので、「当座預金」は最低0円。
それよりも多くお金を引き出したりすると、「当座借越」という勘定科目が出てきます。

では例をあげてみましょう。

(例1)仕入れ500円を小切手を出して支払った。
なお当座預金の口座は400円で銀行とは当座借越契約(限度額1000円)を結んでいる。

《仕訳》
【一勘定制】
(借方)仕入500  (貸方)当座 500

【二勘定制】
(借方)仕入500  (貸方) 当座預金 400
               当座借越 100
 
まず「仕入」は費用なので借方にもってきます。

一勘定制では支払った金額を「当座」という1つの勘定科目のみで仕訳します。

口座残高がマイナスになっていても関係ありません。

1つの勘定科目なので仕訳も簡単ですね。

二勘定制では「当座預金」と口座残高がマイナスになっていたら不足分を「当座借越」いう2つの勘定科目を使い支払った金額の合計を仕訳します。

口座のお金が足りていれば 仕入500/当座預金500で仕訳できますが、口座に400円しかないので100円を「当座借越」で補います。

さてその後入金があった場合の処理について処理します。
 
(例2)その後商品を700円売り上げたので代金を小切手で受け取り当座預金に預け入れた。

《仕訳》
【一勘定制】
(借方)当座 700     (貸方)売上 700

【二勘定制】
(借方)当座借越 100   (貸方)売上 700
    当座預金 600
            
例1の時点で当座預金の残高はマイナス100円になっています。

このマイナス分は銀行から一時的に借りている状態なのでまずはこの当座借越を消す必要があります。

一勘定制の場合は、「当座」を増やしたり減らしたりするだけなので、何も考えずに「当座」を増やしてあげればいいです。

二勘定制の場合はひと手間ありますね。

①当座借越100を借方に持ってきて相殺する
②残った分を当座預金として計上する 

こうすることで、当座借越100が消えて、残り600が当座預金に残りました。

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まとめ

いかがでしたか?ここでは3種類の勘定科目が出てきました。

一勘定制は当座という1つの勘定科目、二勘定制は当座借越・当座預金という2つの勘定科目を使います。

当座の勘定科目は二勘定制には使用しません。

簿記の問題には限度額という言葉がほぼ確実に出てきますがが、3級においては限度額オーバーはまずないのであまり気にしなくていいでしょう。