年次決算、中間決算はわかるけど、月次決算って何をするの?どうやってやるの?
という方は多いのではないでしょうか?

何となく、色んな数字を集計させられている、会議資料を作らされているけどそれは何のためかわからない。
びっしりと数字で埋め尽くされた表や色とりどりのグラフがあるけど、いったい誰がみるの?

今回は、わかるようでわからない月次決算について説明していきたいと思います。

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月次決算は何のためにやるの?

管理人の私見では、月次決算をやる目的は二つ。

一つはその月の業績がどうだったのかを明らかにする。

もう一つは、それを踏まえてこれからどのように動けばいいのかを決める。

です。

その月にどれだけ利益が出たか?どれだけお金が増えたか?
それは予算どおりに進んでいるか?
まずはこれを明らかにします。

その上で、予算どおりに進んでいなかったら、どのように挽回するか?どんな対策が考えられるか?を検討していく必要があります。

これらがわからないと、会社の経営はできません。

この二つの目的のどちらが欠けていてもだめです。

その月の業績がどうだったのか、という過去のことだけがわかるだけじゃだめですし、やみくもにイケイケドンドンでもだめです。

当たり前ですが、まずは過去を分析して、何が良くて何が悪かったのかを明らかにします。
良かった点は継続して、悪かった点は改善します。
それを毎月繰り返して、目標予算達成に向けて進んでいく。

その手段の一つが月次決算なのです。

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では具体的に何をするのか

月次決算の目的二つをしっかり押さえておけば何をしてもいいんです。

なんて言ってしまうのは身もふたもないので、一般的にどのようなことをしているのかをご紹介しましょう。
まず、最低限、損益計算書はないと話になりません!

その月の業績はどうなっているのかを見るためにやることは何でしょうか?

・単月と累計のそれぞれの予算と実績はどうか?

・累計実績の前期比較

・どのように業績が推移しているか

主にこの3つです。

予算と実績の比較

予算と実績を比較することで、その年度のある程度の進捗率がわかります。

その月までの予算達成していれば、その調子で進めればよいとして、達成していなければ、どこが悪いのかを探し出して対策を立てなければなりません。

売上や売上総利益が少なければ、
・お客様のところに行く回数を増やす
・販売商品を見直す
・チラシやDMなどの販促活動を強化する
といった手段が考えられます。

また、費用がかさんでいれば、
・不要な出張や懇親会を減らす
・広告戦略を見直す
などの手段がとれるでしょう。

人件費に手をつけるのは、社員のモチベーションの低下につながる可能性が高く、悪循環に陥る可能性があるため、本当の本当に最後の手段としてください。

累計実績の前期比較

前期比較をして、異常な増減があったら、その原因を調べます。

・何か特殊な要因があったのか?
・毎年発生するものが、月ずれを起こしているのか?

といった原因が考えられますので、原因を個別に調べた上でもしも問題があるようならば、改善策を考えます。

これらはつまり、月次決算の目的である、その月の業績を明らかにすること、それを踏まえてどのように動くかを決めるということそのものです。

業績の推移を見る

単月や累計同士の比較ももちろん必要ですが、今までの推移を見ることも大切です。

推移を見ると、過去から今までの業績の変化が手に取るようにわかります。

管理人も役員たちにセグメント別(事業別)の推移表を作って見せたところ、これが割と好評でした。

お恥ずかしい話、今まで全社の推移はあったものの、セグメント別のは作ってのかったんです。

全社では業績が伸びているように見えても、ある事業が下落傾向にあるというようなことがわかるので、セグメント別の表はおすすめです。

月別の数字を書いた一覧表と推移グラフをセットにすると、実際の数字と推移が一目でわかりますよ。

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できれば用意したいもの

損益計算書だけでもある程度は業績がわかるのですが、これに加えて、

貸借対照表
資金繰り表(キャッシュフロー計算書のような本格的なものでなくてもOK

があればなお良いです。

貸借対照表では、流動比率や自己資本比率、損益計算書と併用してROEやROAなどといった各種指標を出すことができます。

例えば、流動比率は短期的な安全性を見ることができますし、ROEやROAは、どれだけ効率よく利益を出しているかを見ることができます。

これらがあまりにも悪いようでしたら改善の余地アリ、としてこれまた対策を練ります。

科目単独では、
・売掛金が残りすぎていないか?
・在庫は増えていないか?
という見方もできます。

売掛金が増えているのは、売上が増えたからなのか、回収が遅れているのか、回収が遅れているとしたら督促をしなくてはなりません。

在庫が増えているのも同様で、ちゃんと売れる見込みがあるのならいいのですが、稼働率が低かったり、全く動いていないものがあったとしたら、値下げしてでも売るか、思い切って廃棄するかの判断が必要です。

次に資金繰り表についてです。

資金繰り表を作ることで、短期的に資金がショートしてしまうかどうかを見ることができます。

キャッシュフロー計算書のような本格的なものではなく、期首の残高に売上等の入金見込み(入金予定日で集計、ただし、全額ではなく未入金も見込む)、仕入や経費の支払見込み(支払い予定日で集計)、給与や賞与の大口の支払い、固定資産の取得見込み、借入金の返済等を入れ込んだざっくりとしたもので大丈夫です。

これを作っておけば、例えば、給与のときに少し足りなくなるとか、月末の支払いがちょっと厳しいといったことがわかり、資金ショートを未然に防ぐことができます。

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月次決算を早く効率よくやる方法

月次決算では、意外とやることが多い、という印象をいだいたのではないでしょうか?

管理人も月次決算では、1日の中でたくさんの資料を作らなければなりません。

月次の締めの翌々日に役員会議があるので、膨大な会議資料を1日で仕上げる必要があるのです。

そんなときに、早く効率よくできればなぁ、と考える日々です。

一つの方法としては、クラウド会計システムを入れる、ということがあります。

クラウド会計システムを入れたら月次決算が早くなった、という事例をよく見かけます。

何よりも入力業務が効率化されたことが一番大きいです。 オンラインバンキングとの同期により、無駄な手入力が大幅に減りました。今では月次決算がfreeeでほぼ手間なく出来ますし、日々の帳簿付けという意味ではほぼ完璧に出来るようになりました。

また、入力業務の効率化以外にも売掛金の管理がしやすくなりましたし、請求書は全てfreeeで作成し、消込もfreeeで一元化することで非常に便利になりました。

こんな感じの収支レポートが自動でできてしまうのです。

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まとめ

月次決算は、
その月の業績がどうだったのかを明らかにする。
それを踏まえてこれからどのように動けばいいのかを決める。
の二つの目的がある。
最低限、損益計算書は作成して、貸借対照表や資金繰り表も作れればなお良い。