経理の仕事というものに漠然と興味はあるけど、実際に何をしているのかわからない。
経理部門に配属が決まったけど、どういう準備をすればいいの?

そんな疑問があるのではないでしょうか?

管理人は新卒でいきなり経理に配属になったので、こういう疑問を抱くのはよくわかります。
経理部門の基本、みたいな本を大急ぎで図書館に借りに行って読んだことをよく覚えています。

でも、具体的にはどんなことをやるのか、イマイチつかめないなと思います。
今回は、管理人の経験をもとに経理の仕事はどんなことをやるのか、ご紹介していきたいと思います。

あなたが経理に興味がある場合も、異動で仕方なく経理に配属になった場合でもぜひ参考にしてください。

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経理の仕事の大まかな種類

経理の仕事と一口に言っても多岐に渡っています。

イメージとして、経理の仕事は「会計」という大きな枠の中で2つに分かれていると言えます。

その2つとは、

  • 経理
  • 財務

です。

会社組織でよくあるのが、経理部、財務部、経理財務部、財務経理部・・・といった名称です。

共通して覚えるべきことは、何と言っても仕訳ができるということです。
経理に興味がなく、何となく事務処理をするだけであればそれでもいいのですが、経理でスキルアップをしたいのであれば仕訳は必須です。

仕訳がわからないと、いろいろ不便なことが出てきます。

数字の動きがわからない

会計の世界では、仕訳がわかっていないと、数字が何を意味しているのかわかりません。

現金・預金の動き一つとってみても、

  • 入金
  • 支払
  • 返金
  • 手数料を差し引いて支払
  • 源泉徴収をして支払
  • 借入
  • 返済

というように、色々な処理方法があります。

仕訳の基本がわかっていれば応用が利くのですが、わかっていないと応用が利きません。
それぞれの場合はどうやるのかということをいちいち覚えなければならず、とても効率が悪いです。

決算の意味がわからない

仕訳がわかっていないと、今自分の処理している数字が、決算でどういう影響を与えるのかがわかりません。

仕訳は経理処理の最小単位で、これの積み重ねの結果が決算で貸借対照表、損益計算書といった財務諸表にまとめられます。
資産、負債、収益、費用の勘定科目があって、それぞれが貸借対照表、損益計算書に積み上げられます。

例えば、売上を上げて後日そのお金を回収した、という処理をした場合、財務諸表上ではどういう風に数字が動くでしょうか?

答えは、貸借対照表の現金・預金と利益剰余金が増えて、損益計算書の売上高が増える、です。

経理の仕事の目的の一つは決算を組むことです。
そのためには日々の経理処理を理解しておくことが必要で、その基礎が仕訳なのです。

それでは、次は具体的にそれぞれの部門の仕事を見ていきましょう!

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経理部門の仕事

経理部門は、主に伝票を起票したり、会社の業績を分析したり、財務諸表を作ったりするという決算業務などをやります。
一般的な簿記のイメージがこの経理部門の仕事といって差し支えないです。

特に重要なのは決算業務であり、年度決算はもちろん、半期決算、四半期決算、月次決算、さらに会社によっては日次決算までやってしまうところもあります。

業績の分析は月次決算の中での大切な業務で、この分析結果によって、会社の次の打ち手を決めることになります。
分析の主な切り口は大きく分けて二つ、

  • 予算と実績の比較
  • 前年同期の比較

です。

予算と実績の比較をすることによって、事業の進捗状況がわかります。

  • このままでは売上が予算に届かない
  • 原価が予定より高い
  • 販管費が予定よりも少なく済んでいる

などといった要因を把握すると、次にどのようなアクションをするべきかがわかりやすいですよね?

例えば、売上が予算に届かないのであれば、もっと営業をかけるとか、利益率の高い商品に力を入れて利益だけは確保するといった方法が考えられます。

前年同期比較は、異常な増減が無いかどうかを見ることによって、実績は伸びているのか、経理処理が誤っていないか、などを把握することができます。

この予算実績の比較と前年同期の比較は、会計監査でも必ず聞かれる項目です。

ですから、月々でこれらの分析をしっかりしておくことによって、会計監査をスムーズに進めることができます。

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財務部門の仕事

財務部門は、主に日々の入出金、資金調達や設備投資計画などを管理する業務をやります。
実際のお金を取り扱う部門と考えればわかりやすいでしょう。

日々の入出金は、売掛金や未収金等の回収と買掛金、未払金等の支払です。

よくあるのが、銀行から入金データをダウンロードしてきて、自社の会計システムに取り込むという流れです。
取り込まれたデータと会社の売掛金、未収金を照合して、入金先と金額、入金期日があっているものを消していくのが、入金処理です。

支払は、期日の到来する買掛金、未払金を消し込んで支払いデータを作り、銀行に送るという処理をします。
最近はインターネットバンキングで支払いデータを送ることが多いと思われます。

資金繰りも財務部門の大事な仕事です。
入金や支払を踏まえて、未来の資金繰りを予測し、足りなければ銀行から借り入れをしなければなりません。
また、余っているようでしたら寝かせておかないで設備投資をしたり、定期預金や債券などで運用することも視野に入れます。

具体的な方法は、入出金のデータを集めて傾向を把握し、月や年間の資金のポジションを確認します。
例えば、入金は月末に集中、支払日が10日、20日、月末というようなスケジュールであれば、月末に資金が多く、だんだん減っていくという流れになります。

この場合は、20日や月末に向けて資金が足りなくなる恐れがありますので、15日くらいから支払スケジュールを確認して、借り入れが必要かどうかを判断します。

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経理のその他の仕事は?

ここまでで経理部門と財務部門の代表的な仕事内容をご紹介しました。

他にもたくさんの仕事があります。

社員立替の精算

会社の経費を社員が立替える場合があります。
これを社員立替といいます。

本来会社の費用なので、個人にはその分を支払いをしなければなりません。

主に、出張や外勤の交通費、宿泊費や消耗品などの購入がこれにあたります。

社員立替精算の流れは以下のとおりです。

  • 社員が立替えて支払をする
  • 領収書を経理に提出する
  • 経理が個人に対して支払いをする

領収書は、会社所定の社員立替精算用の書類に張り付けるということが多いです。

固定資産管理

固定資産は、一般的には総務部門と連携して管理をします。

分担は、会社によっても違うことがありますが、総務部門が現物管理、経理部門が取得価額の判定や減価償却計算などをします。
少なくとも管理人の経験ではこういう分担でした。

固定資産は、取得したら終わりではなく、固定資産台帳という台帳で取得価額、減価償却費、減価償却累計額、除却、売却などの管理が必要になります。
そして、耐用年数の期間にわたって、減価償却費を毎年計算しなければなりません。

固定資産業務は、購入した物品が固定資産として計上する必要があるかないか、という判断も入ってきます。
固定資産は、取得価額が20万円以上のものが該当し、10万円以上20万円未満であれば一括償却資産、10万円未満であれば少額資産として費用計上ができます。

この固定資産の取得価額の判断が意外と難しいので、当サイトでも説明した記事がありますのであわせてご参照ください。

固定資産の付随費用の考え方も身につけておく必要があるので、こちらもどうぞ。

法人税などの税金計算

税金にはたくさんの種類がありますが、法人税、住民税、事業税がメインです。

特に法人税は、住民税と事業税の計算の基礎になる税金なので、一番重要と言えるでしょう。

法人税の計算は慣れればそれほど難しくはないのですが、慣れるまでがとにかく大変です。

管理人の場合、前任者が急にいなくなってしまい、手探り状態で法人税の計算をするという経験をしてきました。
その時は何もわからず本当に大変でした。

法人税は、会社の所得に課税されます。
この所得というのが厄介で、当期純利益とは違うのです。

会計の計算では費用になるけれど、法人税では費用にならなかったり、逆に会計では収益だけど、法人税では収益にならないというものがあります。
ですから、所得と利益は一致しないのです。

こういう計算も重要な経理の仕事です。

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連結決算

子会社があったり、逆に自社が子会社だったりすると、連結決算というものをしなければなりません。
連結決算とは、親会社、子会社を一つの会社とみなして決算をすることです。

単純に、親会社と子会社の業績を合計すればいい、というわけではないのが面倒なところ。

親会社と子会社の間の取引は無かったものにする、という調整が必要なんです。
これを連結消去仕訳と言います。

すんなり合えばいいのですが、意外と差額が出てしまうもの。
特にグループ会社の数が多かったり、海外にもたくさん子会社があったりするとそれはもう大変です。

管理人も親会社の立場と子会社の立場両方で連結決算をしたことがありますが、合わせるのに本当に苦労しました。

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まとめ

経理の仕事について、代表的なものの内容をご紹介しました。

一口に経理と言っても、大きく分けて経理部門、財務部門の二つがあり、それぞれ役割が違います。
ただ、会社によってはこの二つが「経理部」、「財務部」だったり、経理部の下に「経理課」「財務課」があったり、「経理部」がこれらの仕事をまとめて担当したり様々です。

経理部門が主に数字の分析や決算、財務部門がお金の調達や投資計画などを担当しています。

経理は日々、社員立替精算をしたり入金、出金の手続きをしています。

決算は経理の重要な仕事であり、決算ができるということが経理の仕事をする上で一つの目標になるでしょう。
日々の数字の積み重ねだけでなく、税金計算やその他いろいろな決算処理が関わってくるので難しいですが、できるようになれば必ずそのスキルは重宝されます。

当サイトでも決算や税金、固定資産などの特殊な経理処理について詳しく、そしてわかりやすく説明していますので、ぜひいろいろな記事をご覧くださいね。