決算の時期になると、取引先から売掛金や買掛金の残高確認の依頼が来ます。

残高確認とはどのようなものでしょうか。

今回は残高確認の手順や合わない場合の調べ方のコツ
管理人の経験を踏まえて説明しますね。

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残高確認はなぜやるのか

そもそも残高確認はなぜやっているのでしょうか?

大きく分けて二つ。

一つ目は監査のため

二つ目は社内での売掛金・買掛金などの管理のため

一つ目の監査のためというのは、会計士の監査が入る会社の場合、取引先と残高が一致しているかどうかが
監査上、非常に重要な項目であるからです。

特に、売掛金、買掛金については、会社独自の残高確認とは別に監査法人や会計事務所から直接取引先に送付されます。

公認会計士協会ホームページには以下の記述があります。
財務諸表が正しく作成されているか・・・
というのは、決算においては死活問題ですね。

財務諸表が正しく作成されているという監査意見を述べるために、監査人が行う監査手続の一つである。会社の取引先等の第三者に対し売掛金の残高等について、監査人が直接、文書で問い合わせを行い、その回答を入手して評価する手続である。
一般に確認は、決算日など特定の日の残高の実在性を証明する有力な監査証拠となるので、金融機関との取引や売掛金などの債権、倉庫業者に保管されている棚卸資産等々、様々な財務諸表項目を対象に実施される。
(※参照「代表的な(実証的)監査手続」)

https://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/cpainfo/student/ke_word/2007/04/post_79.html

二つ目の社内での管理のため。

会計監査でやっているようなことを結局は社内でもやろう、ということなんですね。

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残高確認の手順

1.送付先のピックアップ

取引先の数が少なければ、全取引先に送るのが望ましいのですが、実際はそうはいかないはず。
そのような場合は、ある程度金額で切って送付先を決定します。

例えば、
期末売掛金残高が300万円以上の取引先、
主要事業に関わる取引先は金額に関わらず全て
といった具合です。

2.残高確認書の作成

残高確認書の様式は決まっていませんので、
会社独自で作ってしまってかまいません。

内容は
平素は格別の~のような挨拶から、さて、お忙しい中恐縮ですが、○月○日現在の弊社の売掛金(買掛金)残高は下記のとおりとなっております。という旨書いて、

その下に金額を記載するとよいでしょう。

そして、その下に相手先に残高を記載してもらい、
相手先社名と相手先社印の欄を作成すればよいです。

複写式で作れればよいのですが、コストが半端ではないので、普通はワードやエクセルで作ってコピー用紙に印刷すると思います。

その場合は、一つの相手先に対して2枚印刷し、一方を相手先控として入れて差し上げましょう。

また、請求書№ごとの金額を入れるなどした、残高明細を同封すると、差額が出た場合、相手先との話がスムーズに進むため、作成し同封するのをお勧めします!

3.残高確認書の発送

完成したら、発送です。
相手先が多数の場合は、窓付き封筒を利用するとよいです。
残高確認書を折り曲げた時に相手先住所が封筒の窓のところにでるように作るといいでしょう。

返信用封筒と返信用切手を入れるのを忘れずに!

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残高確認書の回答の仕方

残高確認書が自社宛に来ることも当然あります。

その場合の回答はどのようにすればよいでしょうか。

会社ごとに方針があるでしょうけれども、基本的には、その相手先に対する売掛金、買掛金の全ての合計金額を記載し、返信するべきです。

なぜなら、恣意性の介入する余地がなく、会社としての残高を正確に回答できるからです。

ある人は、全社合計。
ある人は、ある一部門だけの金額。
といった回答方法では困りますものね。

残高確認書が届いた時の詳しいことは、こちらの記事も参考にしてください。

残高確認に差額があった場合の対処法

残高確認の目玉(?)、差異の詰めです。

残高がきれいに一致すればよいのですが、残念ながら合わないことも多々あります。

管理人の経験では次の6つに分けられると思われます。

1.端数処理の方法が違う

2.債権、債務の認識時期が違う

3.集計方法が違う

4.締め日が違う

5.計上ミス

6.別の科目で計上している

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1.端数処理の方法が違う

数円~数十円の差額が出ている場合は、消費税の端数処理の方法が違っていることが考えられます。
例えば、自社では消費税の端数は四捨五入で処理、
相手先は切り捨てで処理している場合は端数が違ってきますよね。

また、自社は全ての売上の合計に税率をかけて処理をしているが、相手先は明細ごとに消費税計算をしている、という場合も端数処理の関係で差額が出ることがあります。

2.債権、債務の認識時期が違う

自社の売上の計上時期は出荷基準、相手先の仕入の計上時期が検収基準だった場合、月末近くの取引については差が出ることがあります。

例えば、3月決算で、自社では3月31日に出荷をしたので、売掛金を計上、相手先は4月1日に検収したので、4月1日に買掛金を計上、となった場合はこの分は期ズレになります。

3.集計方法が違う

回答方法のところでちらっと触れましたが、会社によっては支店や部門単位で回答してくることがあります。
その場合は、個別ごとに比較すると手間がかかるので、両社とも全社ベースでの残高で比較しましょう。

それでも差が出るようでしたら、個別に比較していきます。

4.締め日が違う

当社が月末締め、相手先が25日締めなど、締め日が違う場合には、残高に差が出ます。

その場合、相手先に26日~月末までの取引金額を聞いて合算してみましょう。

自社の25日時点の残高で比較するのは、決算日時点の残高を比較するという趣旨とずれてしまうため、
望ましくありません。

5.計上ミス

これは単純で、どちらかが2重計上していたり、計上漏れをしていたり金額を間違っていたりしたためにズレが生じている状態です。

取引内容を精査し、修正するしかありません。

6.別の科目で計上している

まれに別の科目で計上していることがあります。
自社は売掛金ではなく、未収金で計上しているが、相手先は全て買掛金で計上しているために、未収金の分だけ差額が出ている、という状態です。

こういった場合は、未収金の残高を合計して比較しましょう。

まとめ

残高確認は、監査上重要である。
社内でも債権や債務をきちんと管理するためにも実施するのが望ましい。

残高確認書には残高の明細を入れると、差額が出たときでも相手先との話がスムーズに行くことが多い。

差額の要因には大きく分けて6つある。

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mail6_2
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