レストランのコーラは原価5円だ!
ラーメンは100円だ!
だから店は客からぼったくっている!

一度は聞いたり、目にしたりしたことが
あるのではないでしょうか?

恐らく、このような発言をする人は原価の意味をわかっていないか、販管費を含めた値決めがわかっていない人でしょう。

当然、商品の原価や値決めはそんなに単純なものではありませんし、お店が暴利を貪っているわけでもありません。

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そもそも原価って何?

原価(げんか)とは、特定の目的を達成するために消費される経済的資源を貨幣で測定したものである。詳しくは下記を参照。
売上原価 – 当期の売上に対応する原価。
製造原価 – 当期に完成した製品に対応する原価。
原価計算 – 主に工業簿記において、製造原価・売上原価を算出する手法。
総合原価計算
個別原価計算
原価計算基準

Wikipediaより

https://ja.wikipedia.org/wiki/原価

 

原価計算は、複雑なためここでは割愛させていただきます。

さて、いきなり売上原価を説明するより、製造原価から先に理解していたほうがわかりやすいのではないかなと、管理人は思います。

製造原価とは、読んで字のごとく、製品を製造するためにかかった原価です。

例えば、冒頭のジュースについては、主に、水、果汁、砂糖などの原材料費。
工場で働く人の人件費、機械の電気代、工場の減価償却費などが原価にあたります。

これらを合計したものが、製造原価になるわけですね。
次に売上原価。

製品を作ったり、外から買ってきたりしても
いきなり売上原価にはならず、製品や商品、もしくは仕入という勘定科目で処理をします。
簿記を勉強したことがある方は思い出していただけたでしょうか?

ではいつ売上原価という勘定科目が計上されるのでしょうか。

答えは、製品や商品を売った時、です。
先ほどの引用で、売上原価は当期の売上に対応する原価、と定義されていました。
つまり、実際に売って、売上が計上された時に、この売上に対応して売上原価も計上されると考えます。

ちなみにこれを「費用収益対応の原則」といいます。
例えば、原価100円で製品を作った場合、
完成した製品は、貸借対照表に資産として計上されます。

この製品を、120円で売ったとしましょう。

この時に、100円で計上されていた製品が
売上原価100円に変わるというイメージです。

製造原価の内訳と直接費と間接費

製造原価は次の3つで構成されています。

・材料費 製品を製造するために使う材料の費用
・労務費 製品を作る人の人件費
・経費  製品を作るのに使った外注費や金型などの費用

さらにこれらは、直接費と間接費に分かれます。
・直接材料費、間接材料費
・直接労務費、間接労務費
・直接経費、間接経費

直接費というのは、製品と1対1で紐付けができる費用のことです。
例えば、ラーメンで言えば、麺を作る小麦粉、乗せる具、料理人の人件費など。

間接費は、直接費とは逆に、どの製品にどれだけ使われているかわからないものをいいます。
例えば、工場の管理部門の従業員の人件費、工場の水道光熱費や減価償却費などです。

直接費は、製品1個当たりの金額はわかるのですが、
間接費となると、製品1個当たりにいくら使われているかがわかりません。
ですので、間接費は配賦という方法で各製品に割り振ります。
配賦の基準は、製品の生産量や作業時間、もしくは金額などが代表的です。
どの基準でやらなければならない、ということは決まっていないので、
会社によって最適な方法を採用していただければと思います。

まとめ

売上原価は、製品や商品が売れて売上が計上された時に、これに対応して計上される。

製造原価は、材料費、労務費、経費があって、それぞれ直接費、間接費に分かれる。
さて、ここまで読んでいただいたあなたは、
冒頭の発言がいかにおかしいかがお分かりかと思います。

ラーメン屋さんの一般的なラーメンを一杯作るのに、
麺、チャーシュー、のり、ナルト、わかめ、ネギ、スープ、調味料などで
大体100円前後で収まるでしょう。

・・・うん、直接材料費、間接材料費ですね。

ラーメンを売って回収しなければならないのは
材料費だけでしょうか?
自分や従業員の人件費は?(労務費)
お店の家賃は?水道光熱費は?(経費)

さらに、実際は上記の原価だけでなく、広告費や消耗品費などの販管費も
回収しなければなりませんね。

どう考えても、「原価」は100円じゃ収まらないし、
売値は原価や販管費、その他の費用を回収し、さらに利益が出るようにしなければなりません。

だから、ラーメンが600円や700円しているのも、
ぼったくりとは言えないのです。

ネット上やリアルで、「○○の原価は1円!△△の原価は5円!」
などと言っている人がいたら、
「ああ、直接材料費のことを言っているんだな」と思ったほうがよいでしょう。

 

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