固定資産の中には、製作に時間がかかるため分割請求がされることがあります。

例えば、ビルの建設。

大きなビルだと、1年以上工事が続くこともあります。

そんな時は、建設業者はビルの引き渡しまで代金はもらえないのでしょうか?

そんなことはなく、冒頭でご紹介したとおり、分割請求されることがあるのです。

では、その時の処理はどうするのでしょうか?

建物を、進捗分だけ取得したことにする?

実際そんなことはありません。

そんなときのために、「建設仮勘定」という勘定科目があります。

今回は、建設仮勘定についてご説明いたします。

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建設仮勘定って何?

『「建設仮」という勘定科目』ではなく『「建設仮勘定」という勘定科目』です。

これは建設中の建物に使用する勘定科目です。(※最後に補足あり)

建物を建てている最中でも、代金の一部を支払うというのはいたって普通のことです。

建ってしまえばその建物は固定資産になりますが、建設途中だと まだ自社の所有物にはなっていないので、建物自体を固定資産として計上することができません。

もちろん、1棟の建物が建つまでには時間がかかり、出来上がるまでの間一切の支払いをしないということも常識的にはありえません。

しかし建設途中の建物にでもある一定の価値はあるので、それならば完成前でも支払った分は固定資産にしましょう、というのが「建設仮勘定」です。

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建設仮勘定の実際の処理方法

仕訳の例を見てみましょう。

1 自社でビルを建てることになり、建設会社に着手金1,000万円を現金で支払った。
    借方              貸方
建設仮勘定 10,000,000   /   現金    10,000,000

2 ビルが完成し、残金3,000万円を現金で支払った。
    借方              貸方
建設仮勘定 30,000,000   /   現金    30,000,000

3 建設業者から完成したビルの引き渡しを受けた。
    借方              貸方
建物    40,000,000   /   建設仮勘定 40,000,000

上記のように、建物の引き渡しを受けた時点で建物が自社の所有物となり、「建物仮勘定」が「建物」に振替えられます。

「建物」に振替えられると、借方と貸方の「建物仮勘定」は相殺されます。

減価償却費との関係は?どうやって償却する?

ここで1点注意なのですが、「建物仮勘定」は減価償却をしません。

しかし、固定資産は減価償却をするものですね?それにも例外があります。

最初に「建物仮勘定」が固定資産だと説明しましたが、この場合はまだ建てている最中であり その建物を使用することができません。

原則として、使用していないものには減価償却しないことになっていますので 出来上がって「建物」になってから初めて減価償却することになります。

実際に使っているものだけが減価償却するのです。
専門用語でいうと、「事業の用に供している」というやつですね。

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建設仮勘定って建物だけに使うの?

※最初に説明してしまうと混乱すると思ったので、ここで補足させていただきます。

「建物仮勘定」は建物だけに使われるものではありません。

完成後は固定資産になるはずの、完成前のものに対して幅広く使われます。

例えば、工場ですと大きな機械がいくつもあったりしますね。

使用する内容によって独自の要求に基づいた機械を作成してもらうことも多いでしょう。

そういう場合でも、オーダーしてから完成後の引き渡しまでは「建設仮勘定」が使われます。

建設という名前が付きますが、固定資産の取得に関連して分割払いしていたら、機械でも器具備品でも建設仮勘定になるわけです。

まとめ

建設仮勘定について、ご説明いたしました。

何となく特殊な感じがしてとっつきづらいかもしれませんが、言うなれば、単なる仮払金の固定資産バージョンに過ぎません。

固定資産の取得で分割払いが発生したら、完成引き渡しまでは建設仮勘定で置いておき、引き渡しを受けて実際に使い始めたら、建物などに振り替えます。

減価償却も、使い始めてから開始します。