固定資産処理をしていて、有形固定資産になるのか無形固定資産になるのか、どこまで固定資産の取得価額に含めるのか、悩むことがありませんか?
管理人の経験では、サーバー周りやLAN工事といったネットワーク構築費用なんかが結構迷った覚えがあります。
固定資産の取得価額については、別記事でも説明しているので、そちらも併せて参考になさってください。
今回は、サーバーやLAN工事の固定資産計上や耐用年数について、ご説明いたします。
サーバー構築費用は有形か無形か
サーバー構築費用は、有形のときもあれば無形のときもあります。
というとミもフタも無い言い方になってしまいますが、これだけでは判断がつきません。
サーバーには物理サーバーと仮想サーバーがあります。
これらの違いによって、有形か無形かが分かれます。
物理サーバーと仮想サーバーの違いとは?
物理サーバとは、物理的実体としてのサーバコンピュータそのもののこと。主に仮想化技術によって一つのコンピュータで複数の仮想的なコンピュータを稼動させている場合に用いられる概念
で、ネットワークを通じてサーバとして利用される一台一台のコンピュータ本体のことを物理サーバという。これに対し、仮想化ソフトなどによって物理サーバ上で複数稼働し、外部から一台の独立したコンピュータのように振る舞うサーバのことを「仮想サーバ」「論理サーバ」「サーバインスタンス」などと呼ぶ。
IT用語辞典より引用
http://e-words.jp/w/物理サーバ.html
まぁ、要は文字通りハードウェア、「ハコ」が存在しているのが物理サーバーで、その「ハコ」の中に、仮想化ソフトをブッ込んで、別のサーバーのような動きをさせているのが仮想サーバーという認識で差し支えないでしょう。
ということで、実際にハコが一つしかなくても、動作できる余裕さえあれば、複数のサーバーとして利用できるわけです。
さて、本題の勘定科目についてですが、まずは金額で判定をします。
10万円未満なら、消耗品で一括処理。
10万円以上、20万円未満ならば、一括償却資産として3年償却。
20万円以上ならば固定資産です。
次に固定資産であれば、有形か無形かを判断しなければなりません。
ここまでの説明のとおり、現物としてサーバーそのものがあるのであれば工具器具備品、仮想化ソフトを利用して仮想サーバーをインストールする場合はソフトウェア、ということになります。
サーバーを使用できる状態にするための作業費用は、固定資産の取得価額に含めます。
LAN工事の耐用年数と勘定科目は?
LAN工事と一口に言っても、ケーブル、ハブ、ルーター等様々な設備が存在します。
これらはどのように処理すればよいでしょうか?
これについては、国税庁が詳細を出しています。
なかなか難しいことが書かれていますが、要は、昔はLAN工事全体を一つの資産として6年償却してもいいよ、となっていましたが、今は、個別の資産ごとに耐用年数を設定しなさいよ、となっています。
こちらが国税庁が出している、ネットワーク構築費用のそれぞれの耐用年数と勘定科目です。
引用元: 国税庁
サーバーもこの中に入っていますね。
これは物理サーバーを想定していますが、仮想サーバーは、ソフトウェアですので、5年償却ということになります。
【廃止】 (LAN設備の耐用年数)
2 -7-6の2 法人が、いわゆるLAN設備について、同時に一括して取得及び更新が行われるものとして、これを構成する個々の減価償却資産の全体を一の減価償却資産として6年の耐用年数により償却費の計算を行っている場合には、これを認める。引用元: 国税庁
この通達は廃止になりました。
一括してLAN工事全体を6年償却ができなくなったんですね。
今は個別に償却するようになっています。
今回の改正により、原則的には電子計算機の耐用年数が変更された平成13年4月1日以後に開始した事業年度に取得したLAN設備については、個々の減価償却資産について定められた耐用年数により償却計算を行うこととなりました。
引用元: 国税庁
つまり、サーバーやLAN設備をひっくるめたネットワーク構築費用を一括して償却することはできず、先ほどの耐用年数一覧表を参考に、個別に耐用年数を設定しなければならない、ということですね。
まとめ
物理サーバーは工具器具備品、仮想サーバーはソフトウェアで処理する。
LAN工事は、ケーブルやハブといった複数の設備があるが、
それぞれの資産ごとに固定資産計上する。
どこよりもわかりやすい説明を心がけています。
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