管理人が最初にやった仕事が売掛金の消し込み業務でした。
いわゆる債権管理の初歩の初歩です。
最初なので当然何もわからず、先輩にいちいち聞きながらやったのはいい思い出。
今回は売掛金消し込み業務の基本的な流れをは以下の通りです。
- 1.入金データの確認
- 2.売掛金との照合
- 3.売掛金の消し込み
それでは順番に見ていきましょう!
入金データの確認
今日はどこからいくらの入金があるでしょうか…?
ということで入金データを確認します。
入金データを確認する方法は大きく分けて2つです。
-
1.通帳を記帳する。
-
2.銀行から入金データをダウンロードする。
ある程度の規模の会社であれば、インターネットバンキングや専用回線を使用してデータをダウンロードしているのではないでしょうか。
通帳記帳をして手入力している会社さんもいらっしゃるかもしれません。
何を隠そう管理人の実家は自営業なのですが、通帳を見て入金処理を行っています。
そんなときは、ネット銀行に登録さえしておけば、自動で仕訳までやってくれるクラウド会計ソフトが便利です。
当サイトではfreeeをおすすめしています。
管理人も使っていますが、会計がわからなくても十分に使えますよ。
通帳をいちいち記帳するめんどくささから解放されてくださいね!
売掛金と入金内容の照合
入金内容が確認できたら、次は売掛金との照合です。
売掛金の残高一覧と入金データを照合します。
例えば、
入金データ:A商店 10,000円 入金日 2015年2月28日
売掛金: A商店 10,000円 入金期日2015年2月28日
というように、二つが合っていれば
次の売掛金の消し込みに進むことができます。
このように完全に一致していれば何の問題もないのですが、
実務上は売掛金と入金額が合わないことも多々あります。
三つ例を挙げましょう。
一つ目は次のような入金。
入金データ:B商店 9,244円
売掛金: B商店 10,000円
(金額以外は一致しているものとします)
入金額が売掛金より756円少ないですね…。
しかし、正しい入金である可能性が非常に高いです。
理由は、振込手数料。
銀行で振込みをするときは手数料が取られます。
つまり、本来払うべき金額から振込手数料を差し引いた金額を支払うことで振込手数料を当社負担とする、ということなんですね。
ちなみに振込手数料は100円~800円(100円刻み)+消費税が一般的です。
差額がこれらの金額だったら振込手数料を疑いましょう。
二つ目。こんな入金の場合は?
入金データ:C商店 9,999円
売掛金: C商店 10,000円
(金額以外は一致しているものとします)
今度は1円違っていますね。
これは、消費税の端数計算が四捨五入、切上げ、切捨て、もしくは、何回かの取引分を合計して入金する場合に取引ごとに消費税を計算するか、取引の合計に対して消費税を計算するかが、会社ごとに違うために起こります。
このように1円~10円程度違う場合は、消費税端数と割り切って雑収入、雑損失で処理をします。
最後に三つ目の例。全然合わない場合。
入金データ:D商店 9,876円
売掛金: D商店 10,000円
差額は振込手数料でもないし、端数でもなさそう。
こういう場合は、とりあえず入金処理だけはしておいて、 後で原因を調査する必要があります。
それぞれの仕訳は次の「売掛金の消し込み」で解説します。
売掛金の消し込み
入金データと売掛金の照合をして、問題なければ売掛金の消し込みをします。
消し込みというのは、文字通り売掛金を貸借対照表上から消すという作業です。
売掛金は、債権といって、お金を請求する権利です。
お金を受け取ったらもう請求できないので、いつまでも残しておいたらまずいわけですね。
消し込みは次のような仕訳を切ります。
1.入金データと売掛金が一致している場合
借方 | 貸方 |
---|---|
普通預金 10,000円 | 売掛金 10,000円 |
2.振込手数料が差し引かれている場合
借方 | 貸方 |
---|---|
普通預金 9,244円 | 売掛金 10,000円 |
振込手数料 756円 |
3.消費税端数の差額がある場合
借方 | 貸方 |
---|---|
普通預金 9,999円 | 売掛金 10,000円 |
雑損失 1円 |
4.金額が全く合わない場合
借方 | 貸方 |
---|---|
普通預金 9,876円 | 仮受金 9,876円 |
仮受金という勘定科目を使います。
文字通り、仮に受けておくお金ですね。
あくまで「仮」なので、後で正しい処理をしなければなりません。
仮受金の消し込みについては、リンク先をご参照下さい!
まとめ
入金データは通帳記帳、ダウンロードで取得する。
入金データと売掛金が一致したら、売掛金の消し込みをする。
振込手数料や消費税計算の端数が差額として出てくることがある。
差額は振込手数料、雑収入、雑損失という勘定科目で処理する。
入金額と売掛金が全く合わない場合は、仮受金で入金処理をしておいて、
原因を調査し、後で正しい処理をする。
イメージはわいたでしょうか?
言葉にすれば単純ですが、会社の規模が大きくなると入金の数も多くなり、消し込み作業はかなり大変になります。
月末入金の会社さんが多く、管理人も月末は憂鬱でした…。
会計システムには、入金額、相手先、入金期日が一致していれば、自動で消し込みをしてくれる機能がついていたり、銀行でも自動消し込みサービスを提供しているところもあります。
今でも消し込みで苦労している会社は多いようです。
こういったサービスも上手く利用して効率化したいところですね!
はじめまして。売掛金の消しこみを、見せて、いただきました。ありがとうございます
ここに、書き込みは、有料ですか?有料では、ない。の前提で書き込させて、ください。今年の確定申告は、市販の青色申告ソフト「約1万」で、行いました。私は、無知で、貧乏な商売人です。気になる点があります
貸借対照表の売掛金の期末の額です
約5万円です。でも、実際には、今年、追いかけるように、昨年の売掛金の回収が、30万ありました
。今年の1月に30万売掛け金の回収があると、言う事は、貸借対照表の売掛金の期末に、30万となければ、なりません。パソコンの数字。勘定項目を見ましたが、わかりません。わからないのではなく、見つけられないのです。今年1年で、解決?調整?ごまかし?したいですが。。。すでに今年は申告は済ませました。
>門田まさし様
コメントありがとうございます。
返信遅れまして申し訳ございません。
コメントは無料ですので、歓迎いたします。
ご自身で事業をされていらっしゃるんですね!
雇われの身としては、本当に尊敬します。
さて、いただいたコメントの売掛金の回収ですが、
期末(12月?)に貸借対照表に5万円しかなかったのに
30万円が入金されたということでしょうか?
だとすれば、考えられる原因は以下の3つです。
1.売掛金の計上もれ
2.未収入金等、他の勘定科目で計上している
3.相手先の誤入金
まずは、その30万円が何の代金なのかを明らかにするのが先決です。
そして売上の計上もれにともなうものであれば、
今年で売上を計上するか、修正申告をすることになります。
(ここは判断が非常に難しいところなので
申し訳ございませんが、顧問税理士の先生にご確認下さい)
もし、誤って入金されていた場合は返金の処理となります。
的外れな回答でしたら申し訳ございませんが
参考になりましたでしょうか。
また何かございましたら、遠慮なくコメント下さい。
今後ともよろしくお願いします。
消費税は端数の差額のあった場合はどうしたらいいか探していたので助かりました!
でも質問です。私の場合は入金が請求予定額より1円多かったので、「雑収入」なのは分かりましたが、これってどこに記入すればいいのでしょうか。
入金されたら振替伝票で源泉徴収税、振込手数料など複合仕分をしているのですが、ここに記入でいいんでしょうか
※弥生会計を使っています
○請求額 (315000円+消費税25,200円)…340,200円
○源泉税+特別復興税(10.21%)…32,161円
…入金予定額 308,039円
…実際に振込まれた額 308,040円★請求より1円多い入金
■請求した時の売掛帳
相手勘定科目 売上金額 回収金額
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
売上高 340,200
■入金された時の売掛帳
相手勘定科目 売上金額 回収金額
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
普通預金 308,040★予定より1円多い入金
○○銀行
↓
↓
源泉徴収されているので、振り込まれた銀行の方を「振替伝票」で開いて下記のようにしています
↓
↓
借方勘定科目 借方金額 借方勘定科目 借方金額
借方補助科目 消費税額 貸方補助科目
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
普通預金 308040 売掛金 340201
○○銀行 ○○会社
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事業主貸 32161
源泉徴収税
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雑収入は源泉徴収の下に書き込めばいいのでしょうか
借方の方でしょうか。でもここで雑収入で借方合計が1円多くなってしまうと、340,202円になってしまって貸方合計と貸借バランスが合わなくなってしまいます
まだまだ初心者なので、すごく具体的な数字で質問してすみません
よろしくおねがいします
リエ様
コメントありがとうございます。
テキストの表示が崩れてしまい申し訳ございません。
HPのテンプレートがそのような表示になってしまうのですね…。
早速ですが、ご質問にお答えいたします。
入金時の売掛金が340,201円とありますが、
この金額が違っているのではないでしょうか?
売上高は340,200円であるため、売掛金も340,200円のはずです。
つまり、入金時の貸方は
売掛金 340,201円ではなく、
売掛金 340,200円
雑収入 1円
とすれば、貸借が合います。
弥生会計を使ったことがないため、操作方法については
説明できかねますが、上記のような仕訳をしてみてください。
今後とも、当HPをよろしくお願いします。
返信ありがとうございます!
あらかじめテキストを別に作成してからコメント欄にコピーペースとしちゃったのです。読みづらくしてしまって申し訳ありませんでした。
雑収入1円は、「借方」の「普通預金」、「源泉徴収税」の下ではなく、
「貸方」の「売掛金 340200円」の下方に書き込むという事ですよね!
「雑損失」は借方のほう、「雑収入」は貸方ということでしょうか!!
リエ様
コメントありがとうございます。
文字が崩れるのは当サイトのせいです・・・。大変申し訳ございません。
ご質問の雑収入、雑損失を入れるところですが、
ご指摘のとおり、雑損失は「借方」、雑収入は「貸方」です。
借方と貸方の覚え方は、下記の記事をご参照くだされば幸いです。
借方貸方の覚え方を、体験談をもとに詳しく解説します
http://keirinoshigoto.com/%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9F%A5%E8%AD%98/%E5%80%9F%E6%96%B9%E8%B2%B8%E6%96%B9%E3%81%AE%E8%A6%9A%E3%81%88%E6%96%B9%E3%82%92%E3%80%81%E4%BD%93%E9%A8%93%E8%AB%87%E3%82%92%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%AB%E8%A9%B3%E3%81%97%E3%81%8F%E8%A7%A3%E8%AA%AC/
モヤモヤが晴れてスッキリしました
借方と貸方も読みました。分かりやすい…
借方と貸方と事業主借と事業主貸と全部ごっちゃにしてたかもと思います
どれも「借」「貸」ついてるし…
私のことですからまた分からなると思います。
そしたらまた繰り返し読みたいと思います
どうもありがとうございました!
すみません!さっきコメントしたものです。
コメントを入れたらセンター合わせになってしまって、表組が見づらくなってしまいました
テキストは左揃えで見ていただきたいのですが…
簿記初心者の現在勉強中の者です。
クラウド会計ソフトを使っており
過去の未決済の消込についてお伺いします。
他の方が消込された仕訳を見ると
未払費用に関しては
未払費用 / 未払費用 とし、消込を行われておりました。
そのほか
例)
未払金 500円 や 買掛金 1000円 の前期の未決済がどうしても
残っておりこれらも消込を行いたいのですが、その際の仕訳をご教授いただけたらと思います。
・・・なんだか、乱雑な文で申し訳ありません。
ひろ子様
コメントどうもありがとうございます。
会計ソフトの仕様が把握できていないので想定での回答です。
未払費用/未払費用
の消込の経緯を推定しますと、以下のようになるのではないでしょうか。
■費用計上
〇〇費/未払費用(1)
■支払い
未払費用(2)/現金預金
■未払費用の消込
未払費用(1)/未払費用(2)
もしそうであれば、支払い漏れでもない限り、未払金500円も買掛金1,000円も同じような流れになると思います。
いかがでしょうか?
もし的外れでしたら申し訳ございません。
また、ご質問いただければと存じます。