固定資産の資本的支出でちょっとわかりにくいのが、二次災害の補強と耐震工事の違いです。
どっちも耐震工事に変わりないのでは?と思うかもしれません。

そんなお問い合わせを読者の方からいただきました。

その時の質疑応答を公開いたします。
是非ご参考になさってください。

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二次災害回避目的と単なる耐震補強の違いは?

こんにちは、お世話になります。
質問させていただきます。

二次災害回避目的の補強は修繕費と処理するとありまひすが、
通常の耐震補強とはどう違うのでしょうか?
よろしくお願い致します。

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管理人の回答

これの判断は、被災しているかいないか、が入口になります。

まず、通常の補強工事は、被災していないことが前提です。
何もない時に、「地震に備えて補強工事しよう」ということです。

この場合は、20万円以上か等という、通常の資本的支出の判定をします。

対して、二次災害回避目的の場合は、文字通り被災していることが条件です。

補強工事をしなければ、同じ位の規模の災害に耐えられない、余震で倒壊しそう
という場合は、災害の特例で修繕費として処理することができます。

被災資産の耐震性を高めるための補強工事費用
[Q5] 二次災害を回避するなどの目的で、被災した建物について耐震性を高めるための補強工事を行った場合に、その工事に要した費用は、税務上、損金の額に算入されるのでしょうか。
[A]
 二次災害を回避するなどの目的で、被災した建物について耐震性を高めるために行った補強工事は、同規模の地震や余震の発生を想定し被災建物の崩壊等の被害を防止するなど、被災前の効用を維持するためのものが多いと考えられます。
 このため、法人が、被災資産(その被害に基づき評価損を計上したものを除きます。)の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出した費用について、修繕費として経理したときは、その処理が認められます(法基通7-8-6(2))。

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まとめ

二次災害回避目的と通常の耐震工事の違いは、

  • 実際に被災していて、同規模の災害に耐えうるようにしないと、機能を維持できないという場合
  • 何もない時に耐震工事をした場合

の二つに判断が分かれます。

被災した場合は基本的に修繕費、何もない場合は資本的支出とするのが一つの分かれ目です。
同様のことでも処理が分かれるのがちょっとわかりづらいですが、ご参考になさってください。