固定資産を使っていると、改造や改修がなされることがあります。
設備にちょっと手を加えたり、機械を改造して性能をあげたりなどですね。

その場合、新しい資産を取得したことにするのか、それとももとの資産の帳簿価額に加えるのか、どちらの方法をとればよいのでしょうか。

今回は、読者の方からのお問い合わせを引用し、解説をいたします。

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固定資産の改造に関するお問い合わせ

お世話になります。
固定資産の処理についてお尋ねします。

既存の固定資産を改造した場合、新たな固定資産を取得したことになるのでしょうか?

例えば、取得価格100万円の設備A(耐用年数8年、定額法償却率0.125)を5年間使用した後に、100万円かけて改造したとします。
この場合、現在価値が150万円の設備Aが固定資産となるのではなく、現在価値50万円の設備Aと、新たに、現在価値(=取得価格)100万円の設備A’と言う新しい固定資産が増えた…と考えるのでしょうか?

管理人からの回答

お問い合わせありがとうございます。

お問い合わせの内容の場合、新たに設備A’という固定資産を取得したことになります。

つまり、固定資産台帳には
設備A 取得価額100万円 償却累計50万円 簿価50万円
設備A’ 取得価額100万円 償却累計0円   簿価100万円
というような内容で記録されます。

設備A’は実務上は「設備A改造費」などというような名称で管理されると
わかりやすいかと思われます。

根拠としては国税庁から通達が出ていますので、
社内外で説明を求められた場合、これをご提示されればよいでしょう。

2 平成19年4月1日以後に資本的支出を行った場合
(1) 原則
減価償却資産に対して平成19年4月1日以後に資本的支出を行った場合、その資本的支出は、その支出金額を固有の取得価額として、資本的支出の対象資産である既存減価償却資産本体(以下、「旧減価償却資産」といいます。)と種類及び耐用年数を同じくする新たな減価償却資産(以下、「追加償却資産」といいます。)を取得したものとして、その種類と耐用年数に応じて償却を行うこととなります。
 一方、旧減価償却資産については、この資本的支出を行った後においても、現に採用されている償却方法による償却を継続して行うこととなります。
 なお、その減価償却資産について定率法を選定している場合(償却方法を届け出なかったために、法定償却方法である定率法により償却を行うこととされる場合を含みます。)は、平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に行われた資本的支出は250%定率法(定額法の償却率を2.5倍した償却率による定率法のことをいいます。以下同じです。)、平成24年4月1日以後に終了する事業年度において同日以後に行った資本的支出は200%定率法(定額法の償却率を2倍した償却率による定率法のことをいいます。以下同じです。)により償却を行うこととなります。

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まとめ

固定資産を改造、改修した場合は、新たに固定資産を取得したものとします。

確かに昔は、もともとの固定資産の額に加算していましたが、平成19年4月1日以降に取得したものについては、新たに取得したものとするようになりました。