経理の転職で最大ともいえるハードルが「経理実務経験者」という条件。
転職市場では、経理の場合は未経験者歓迎ということはほぼゼロといってもいいくらい、案件がありません。
しかし、中には未経験なんだけど経理職に転職したい!という方もいらっしゃいます。
もしあなたがそんな希望をお持ちであれば、その対処法を一緒に考えていきましょう。
そもそもなぜ経験者を採用したいのか?
なぜそこまで経験者を取りたがるのか、ということを明らかにしていきましょう。
これは採用をする側の意図です。
管理人自身、経理で採用を考える立場なのですが、やっぱり経験者はとってもありがたいです。
なぜなら、経験者であれば業務を教える手間が省け、即戦力として活躍できるという期待があるからです。
転職者を募集しているということは、もちろんすぐにでも人が欲しいためであって、何となく人を増やしたいからと募集しているわけではないのです。
はっきり言って、猫の手も借りたいという状況です。
そして、経理だけというわけではありませんが、やはり会計基準や会社法、税法といったある程度の専門知識が必要になってきます。
そんな中で、仕訳っていうのは…とか、貸借対照表ってね…などと0から教えている暇など一切ありません!
そういうわけで、経験者がほぼ必須という状況なのです。
なお、大企業でたまに「SAP使用経験者」という条件があります。
海外のERPでSAPというシステムがあるのですが、これがまたクセがあって使いづらい。
初めて使う人は間違いなくつまづきます。
もし、あなたが希望している会社でSAP使用経験者を募集しているところがあれば、SAPの基本操作をまとめた記事がありますので、ぜひそちらも併せてご参照ください。
では未経験では転職不可能なのか
不可能ではありませんが、実際は非常に難しいと言わざるを得ません。
もしあなたが経理業務未経験で転職活動をする場合、あなたと競争する相手の多くは経理経験者、しかも転職でステップアップを狙っている百戦錬磨の経理経験者も相当数いると見ていいでしょう。
それを勝ち抜くのは並大抵のことではないことは、薄々想像がつくと思います。
では、どのような突破口があるか考えてみましょう。
突破口1 現職で「経理的」な仕事をする
結局経験じゃないか!と言われればそれまでですが、何も「経理部」にいることだけが経理経験者というわけではありません。
営業部門であっても、売上や費用が発生するわけで、その「経理処理的なもの」をやっている人は必ずいます。
というか、簿記の知識などを使うのは決算の時や何か複雑な取引が出てきた時くらいで、日常業務ははっきり言って簿記が無くてもすぐに慣れます。
簿記を知っていると、仕訳が切りやすい程度でしょうか。
ということは、その辺以外は、営業部門であろうと経理部門であろうと大して変わらないのです。
そこに突破口が見出せます。
仮に今までは、ルーチンどおりに業績を入力していただけであっても、今後は転職のネタにできるように、視点を変えていくのです。
例えば、経理部と連携をして自部門の業績管理をしていた、ということも立派な経理処理です。
それも徹底的にやります。
現状の分析から今後の対策、月次の予算実績管理や業務改善によるコスト削減などなど。
実は、ある程度の規模の会社であっても、業績管理は企画部門の仕事というところは意外とあったりします。
そうなると、例に挙げたような業績管理は実は苦手、という経理部門も結構あります。
ですので、そういった経験を活かして、企画部門や営業部門の懸け橋になれる経理部員になれます!というアピールが考えられます。
管理人も実は経理の事務処理の経験はそれなりにありますが、業績管理となるとつかみどころが難しく、結構苦手です。
そんなときに業績管理が得意です、という人が応募してきたら一目置いてしまいます。
また、経理が苦手な分野として、現場の在庫管理があります。
在庫管理は売上原価に直結する大変重要な仕事です。
これは、大事な割に、経理は普段あまりかかわらないのです。
経理は現場を知らない!と言われるゆえんですね…私も反省です。
ここもいままでは、単に期末の棚卸で数を数えるだけ、日々の入出庫を間違いなくやるだけではなく、経理的な視点で、在庫の差をなくすにはどうすればいいか、実地棚卸をスムーズにやるには?、在庫の計算の仕組みは?というあたりに気をつかうと、現場のことがわかっている経理、としてこれまた重宝されます。
突破口2 簿記の資格を取る
簿記は、実務経験さえあれば経理に必須というわけではないのですが、未経験であれば必須です。
なぜなら、仕訳や帳簿といった基本を知っているという証明になるからです。
やはり経理は会計用語などの専門用語も多いので、簿記は共通言語のようなものになります。
もちろん、簿記を取っただけでは、あなたの競争相手に対してのアドバンテージにはなりませんので、上記のように少しでも今の仕事で経理的な仕事をやっておくべきです。
突破口3 上記を踏まえた上で、思い切って経理以外のスキルを磨く
今まで見てきた突破口を踏まえて、思い切って経理のこと以外にも目を向けると良いです。
もちろん、闇雲にスキルを伸ばすだけではなく、最低限の経理のスキルを軸にして他のスキルを伸ばすのです。
例えば、業務改善のスペシャリストになる、外資系コンサルばりにエクセルが使える、帳票電子化やクラウド会計システム、RPAなど先進的なトピックに精通する、といったことが考えられます。
今、巷で言われているように、経理の仕事はAIに取って代わられるという懸念があります。
仕訳をしているだけのような事務屋さんはこれが当てはまるでしょう。
実際、クラウド会計システムでは仕訳はもはや自動です。
レシートの写真を撮って画像を読み込めば、仕訳の完成です。
ですから、これからの時代は、
・経理だからこんなことができる
ではなく、
・経理なのにこんなこともできる
という能力が求められます。
未経験の経理の転職での自己PR方法
これらの突破口を突いて、自己PRをしていきましょう。
大筋は、
- 経理の経験は残念ながら無い
- しかし、営業部門では経理に関係する、業績管理や業務改善、コスト削減などを行ってきた
- 簿記3級の資格も取ったので、基本的な流れはわかっている、2級にも挑戦する
- 経理の仕事以外にも、営業部のペーパーレス化やRPAによるルーチンの自動化を中心になって行った
- 経理部としての経験は無いが、以上のような経験はある
- 臨機応変に対応するのは得意なので、すぐに経理の実務にも追いついて見せる
といった感じでよいでしょう。
その他は、一般的な、自分の強みや転職先の会社が求めるスキルと自分のスキルのマッチング、やる気などをアピールしていきましょう。
管理人であれば、それだけの熱意があれば、「この応募者は未経験だけど、ものすごく伸びしろがあるぞ!」と部長や経営陣にも強く推薦します。
そして、自分が転職する場合、確かに経理の経験はそれなりにありますが、そのような人と戦って勝てる自信はあまりありません。
まとめ
未経験だからといって、経理への転職を諦めることはありません。
経理部にいなくても経理の経験を積むことはできます。
それに、経理以外の業務に精通しているということは、実は経理部門にとってはものすごくありがたいことなのです。
管理人は良くも悪くも経理部門にしかいたことがないので、営業のことなどはほとんどわかりません。
そんなところに、例えば、営業のエキスパートが経理として来てくれたらこれほど心強いことはないのです。
大事なのは、経験だけでなく熱意です。
はっきり言って、上場企業だったり、海外展開をしていたりしている会社ではなく、普通の国内の会社の大多数は専門知識などなくても、その会社のやり方を現場で覚えていけば、何とかなってしまいます。
そんな中で、簿記の最低限の知識だけでも身につけて知識があることを保証し、経理がやりたくて他の部門で経理に役立つ経験を積んできたというアピールをしてください。
そうすると、他の競争相手には無いスキルがあなたに身に付きます。
不安であれば、経理専門の転職エージェントがありますので、相談するとよいでしょう。
経理専門の転職エージェントは、ジャスネットキャリアとMS-JAPANだけです。
下のリンクから公式サイトに移動できますので、ぜひご確認ください。
>ジャスネットキャリアの公式サイト⇒【ジャスネットキャリア】
>MS-JAPANの公式サイト⇒MS-JAPAN
詳細については、下記が参考になります。
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